こころあそびの記

日常に小さな感動を

助けられて歩く道

 

 孫娘にハンドウォーマーを所望されて、聞くまでもなかったのですが、一応訊ねたら、やはり「ピンク色がいい」というので、先日から毛糸を探しています。

 図書館で借りてきた「レリーフ編み」の配色が素敵!こんなのは編めないにしても、こんな色合いの毛糸が欲しいのですが、ドイツ製の毛糸となれば、入手は困難です。

 昨日入ったお店で、赤ちゃん用の優しいピンクにプチプチが入った毛糸を見つけたので、これで代用することにしました。

 

 

 なにせ、一年に一回の編み物ですから、そのたびに復習しないとだめな婆さんです。

 「あの~、お仕事中ごめんなさい」と、棚の整理をされていた女性に思い切って声をかけました。

 私は単純に丸く編めば済むなら、輪針の方が楽チンと考えていましたので号数だけで選んでもらってレジに並びました。

 そうしたら、彼女が追っかけてきて、それでは編みづらいことを説明して、編み図までコピーしてくださったのです。

 その間に流れた優しい雰囲気に、一時の癒やしを感じました。

 いろいろな職業があるけれど、この方は此処がぴったりでした。

 二十代。まだまだ、これからの方です。どうか、この魅力を失わずに進んで欲しいと思った店員さんでした。

 

 

 買ってきた毛糸でつくり目をして、さぁ、お楽しみの日本シリーズ第6戦の始まりです。

 

 野球観戦なんて、久しぶりです。

 こたつと編み物とテレビの三点セットだからできる贅沢です。

 昨日みたいに息詰まる投手戦だと、野球素人では静かな時間を持て余して、テレビの前を離れてしまうものですが、編み物をしているとお尻が重くて動けません。

 そんな効果もあって、最後まで観てしまいました。もちろん、拍手するときは、編み針を置いて。

 

 投手という職業は、持てるすべてを一球に賭ける気迫があります。一球いくらの勝負師。

 孤独に耐えて投げ込む投手の緊張感が伝わってきた、いい試合でした。

 心配なのは第1戦で退いたままの山本由伸選手です。来季に元気に戻ってくださればいい。ゆっくり治療に専念なさってください。

 あのシャイな笑顔を待ってます。

 

 

 手芸店の女性。

 プロ野球の選手。

 自分を生かす道は人の数だけ用意されていますが、そこを歩かせるためにどれほど多くの助けがあったか。それを知る日に続く道かもしれないと、近頃は思うようになりました。