こころあそびの記

日常に小さな感動を

『Phases of the moon』

 

 目覚まし音を止めて、寝ぼけ眼でスマホ画面で温度を確認したら、「4度」と表示されていました。

 覚悟の寒さです。寒いけど、ワンコを待たせるわけにもいかず、意を決して起き出したら、リビングに明かりが灯っています。

 そうか。サッカーの日やった。

 お弁当作りながら私も観戦しました。

 すごいですね。勝ってしまいました。

 応援したすべての人の心を熱く燃やした試合でした。

 選手の一挙手一投足が我がことのように思えて、興奮と落胆を繰り返した時間が、勝利で締めくくられました。

 次は6日。まだまだ我が家のお熱は続きそうです。

 

 

 応援が報われた家人のすっきり感が羨ましく思えたのは、昨日くらいから煮詰まってしまっている自分をいまいましく感じていたからです。

 こんな時はどうやって突破するんだったっけ。

 笑うことやった、と『アホか。』(百田尚樹著)を読んでみても・・

 集中してみることや、と『千字文』の草書体をなぞってみても・・

 イモトさんに刺激をもらったらどうだろうか、と『中国語ナビ』の録画を観てもだめ。

 たぶん、たぶんですよ。今週は孫が期末試験中なので、お昼ご飯の当番を頼まれて身動きできなかったことが原因ではないかと心中では分かっています。

 ほんと。動けないとすぐに窒息してしまう情けない年寄りです。

 

 試験は明日までです。ゴールが見えたら、急に元気を盛り返すあたりがお恥ずかしいことです。

 

 

 何とか気分を変えようと昼ご飯に間に合うように、映画を見に行ってきました。

 『月の満ち欠け』を観てきました。

 田中大輔くん(当時3歳)の、

 「ママに会いたくて生まれてきたんだよ」

という詩を思い出しました。

 幼児虐待が報道されるたびに、「子供は親を選んで生まれてくる」という言葉を、もっともっと知ってほしいと考えた時期がありました。

 有り得ないと考える人も、親になれば、小さなことであっても、ふとした瞬間に繋がりを感じることがあるのではないでしょうか。

 科学では解明できない不思議な縁です。

 

 

 映画では、親子、恋人、友人など、あまりに狭い範囲の繋がりだったので、こんなの作り物と思う人がいるかもしれません。が、私たちは同じグループで魂磨きをしているともききますから、この映画の設定が間違っているとは言えないことを付け加えたいです。

 それから、こんな重いテーマなのに、ジョンレノンの音楽BGMが軽やかに流れるから、美しい話に思えてしまう音楽の絶大な効果を感じました。

 

 劇場を出て、孫に吉牛を買って帰るころには、頭のモヤモヤが雲散霧消。

 前世を知って、命のことを若い人に考えてもらいたいと作られた映画のようでしたが、老人には容易に理解できる内容でした。

 その証拠に、今日が公開初日。その朝一番の上映で席を埋めたのは、半数くらいが高齢者でした。