昨日の朝、気温1度という表示に怖じ気づいて、防寒着を着て犬を庭に連れ出しました。
餌も済ませたのに、ワンワンと鳴き止みません。彼の中では、「その格好は散歩やろ!」と疑わずにいるみたい。
「ごめんごめん」と、朝の散歩に出かけたところ、新しい日の出スポットを見つけてしまいました。
いつも通る道なのに、少しだけ曲がって発見した絶好ポイントの発見にご満悦の朝でした。
帰ってきてテレビをつけたら、
「彼女は施設に入っているので、此処にはいません。」
と男性が話す姿が映し出されたところでした。
右上に、この番組のタイトル『猫のしっぽカエルの手』と記されています。
何があったの?
ターシャさんに似た生活を、京都大原でなさる英国人、ベニシアさんの日常を彼女のエッセイと共に配信する番組です。
特に、英語で流れるエッセイは心地よいもので、その雰囲気が好きでした。
昨日は、番組終了に当たってのスペシャル版だったようです。偶然に観られたこと、うれしく思いました。
彼女はイギリス貴族の家に生まれたにもかかわらず、満たされない思いを抱えてインドへ、そして縁あって日本にやってきたそうです。
たった独りで、言葉も話せないのにたくましく生きていく姿は常人には真似のできないものでした。
母からの愛を感じられなかった彼女が最も頼りにした大叔母が、
「何気ない日々の中にこそ大切なものがある。だれもそのことに気づいていない」
と、教えたといいます。
古民家でお花畑とスローライフを楽しむだけの人ではないことを知りました。
人生の修羅場をいくつも経験した後に、
「本当に求めている内なる平和は自分自身の心の中にある」
という、おばさんの言葉の真実に行き着いたでしょうか。
「今、振り返ると、一つの扉が閉ざされても、別の扉が開かれているのだと分かります」
こんな英語の表現って、素敵です。
「自分の心に正直に流れのままに生きていこうと思います」
と、締めくくられました。
2009年から13年に渡って放映された番組のうちで一番心に沁みる回でした。
どう生きても、どんな最期が待っていようと、自分の魂はそのすべてを記憶しているはずです。
奥底に蓄積されたそれらが自分をずっと励まし続けてくれると信じて生きていきたい。
ベニシアさんのこれからを励ますものは、これしかないと思いました。