こころあそびの記

日常に小さな感動を

赤ちゃんと金星

 

 友人から、お孫さん誕生のニュースが伝えられました。

 新しい命が生まれる。それは、当人にとっては命がけ。そして、周りに待機する人には祈りです。

 無事に生まれたという報に接した瞬間に、胸をなで下ろし安堵の気持ちに変わります。古来から続くこの思いは、これからも変わることはないことでしょう。

 

 

 産院の仕事は真夜中が勝負です。深夜になると静かな院内に、「今夜は産まれるよ~」と言いながら、看護士さんのバタバタ走り回る音が聞こえてきます。

 よく、子供が産まれる日は潮の満ち引きと関係が深いと云われます。

 明後日は満月です。

 天人相応。

 それは、大昔の人が観察して編み出した原則ですが、今も変わらず現代人の体の中に生きています。

 満ちてくる。そのタイミングで産まれるということは、体が自然と呼応できている証です。

 おめでとうございます。

 健やかな成長をお祈りしています。

 

 

 さて、長らく姿が見えなかった金星。地球から見て太陽の裏側をご旅行中でした。

 今月末から、いよいよ帰ってきます。今度は、宵の明星として、太陽の左横に見えるようになります。

 実は、今も太陽と同行しているのですが、あまりにぴったりとくっついているので見えません。

 最近まで、一番星は木星でしたが、これからはしばらくの間、金星にその座を明け渡すことになります。

 夕空の楽しみが増えますね。

 

 

 そして、二週間後には、「冬至」になります。

 冬至は一年の陰の底といわれる日です。

 その日は、日の入りと月の出が西東でほぼ同時。しかも、今年のその月は月齢27.5ですから、夜空に月明かりはないにひとしい、真っ暗な夜空になることでしょう。

 シリウスを筆頭に冬の大三角や火星が煌めく宵の空が楽しみなことです。

 

 そんなこと知って何の得になるの、という向きもおありでしょう。

 でもね、名前を知ってお会いするのと、知らないで通り過ぎることは違うと思うんです。

 「スバルやオリオンを知っているのといないでは、人生の幸福感が変わる」と書かれている倉嶋厚さんに共感しています。

 何万光年昔の光とお話してみませんか?