明日は雨予報。
久しぶりに万博公園の日本庭園に行ってみようと思い立ちました。
紅葉シーズンが過ぎて人影はまばらです。
来園者は殆どが、定年後と思しき男性カメラマンです。
ゆっくり流る雲を追い、午前中の太陽に照らされる木々の色を楽しむ。どんな健康法にも勝ることでしょう。
朝、出がけに、BSで星野道夫さんの足跡を辿る番組を観ました。
私がまだ子育てしていた頃、アラスカを紹介されたのは、植村直巳さんと星野さんです。
雪が大好きな私ですから、もちろん星野さんのファンでした。当時、本も買い込んで読んでいましたから、彼の生き方と優しい眼差しは今も忘れることはありません。その懐かしい笑顔と、カリブーの写真を朝から見て、すっかりアラスカ気分になりました。
番組の中で彼の”時間“感覚についての解説がありました。
「自分がこの厳冬を過ごしてる間、熊も同じ時間をどこかで過ごしている。」
別の場所に居ながら、ある時間を共有しているという温かな視線が、彼の優しさのベースでした。
春になって、冬眠から覚めて、遡上する鮭が熊のご馳走になる。
そこに、”いのちのつながり“を感じておられたようです。
そんなことを考えて園内を歩いていたら、目の前に四十雀が止まってくれました。
カメラ初心者はだめですね。電源を入れて、モタモタしてるうちに、また次回会うまでに上達しておいてね、と飛んでいってしまいました。
残念。素敵な真っ黒ネクタイが目に焼き付いています。
小さい園内であっても、いのちの交代劇が着々と進んでいます。
バラ園のそばに、大量のローズヒップが生っていました。小鳥たちの越冬に欠かせない栄養源になることでしょう。自然はいのちを繋ぐことに準備周到です。
帰り道で、カーラジオから「子育て論議」が流れてきました。
「三人目になって、結局、何もしないのがええという結論になりました」と経験談を話す方がありました。
そうですよね。自然は何もしなくても循環できていることからすると、「手を離せ、目を離すな」は、いつの時代にも共通する手引きなのですが、それが難しい。人間社会は厄介です。
と、あれやこれやと浮かんだ思いは、つまるところ”自然に学べ”ということに集約できそうに思いました。