こころあそびの記

日常に小さな感動を

北風とぬくもりと

 

 予報通りの寒い一日になりました。

 風が塵を吹き飛ばしてくれたおかげで、六甲の山容が美しく見えています。山頂付近にはかすかに降雪があったようにも見えました。

 

 

 北側の山の向こうからは、次々に雪雲が繰り出されてきます。その雲の一塊から落ちてきたみぞれ混じりの雨に濡れてしまいました。あぁ、本当に冬がやってきた。この凛とした感じ、好きだなぁ。

 

 

 いつもの場所にヒドリガモ。男の子がすっかり冬の装いになりました。

 

 

 群れているのはコガモたち。緩やかな瀬がお好みのようです。流れてくるご馳走目当てもありましょうが、よく見ると水流下りをして楽しんでいるようです。スルスルと流されては、必死に足を動かして群れに戻ります。餌を取るだけに生きているのではなくて、ちゃんと遊んでいること発見して、うれしくなってしまいました。

 

 

 このカルガモのペアも川の流れに乗って急流下り中。

 仲良しデートです。

 

 

 お昼に映画『植村直己物語』が放映されていました。

 北極圏を犬ゾリで走破する途中、雪の中から凍った渡り鳥の死骸を見つけるシーンがありました。

 いかほどの確率で彼らはいのちを繋ぐのでしょう。

 昼間は太陽コンパスで東西南北を測り、夜は星座の位置や磁気を感知して、休むことなく飛び続けるといいます。

 そんな苦労をしてまで、繁殖地と越冬地を行き来するようになったのは、なぜなのかと考えてしまいます。

 

 遠い遠い昔、彼らは恐竜だった。体が大きかった時には、ひとっ飛びだった移動を体が覚えていて、今は長い時間をかけてでも移動するようになったのでしょうか。

 

 そんな長旅を思うにつけ、無事にこの川に辿り着いて無邪気に遊んでいる姿を見ると、この上ない幸せを感じてしまうのです。

 今夜からの強い北風。その風に乗ってに二陣、三陣と鳥たちがやってくることでしょう。明日は、初お目見えの子たちも混じるといいなぁ。

 

 

 勝手口から、「お母さん、ラブが待ってるよ!」と娘の声。

 そうそう、夕方の散歩約束したんだった。

 行き交う人が、「きれいやね~」と、感動するマジックアワーに出くわして、幸せがまた一つ胸に広がりました。