こころあそびの記

日常に小さな感動を

話せなくても、すべてわかっている。それが犬。

 

 間違っていたらごめんなさい。

 メタセコイアの褐色の落ち葉が煌めく朝日を受けて、そこだけ赤い絨毯が敷かれたように見えたので、思わず写真に収めてしまいました。

 美しい光景でした。

 メタセコイアの和名は曙杉。英語でも夜明けを表すdawn redwoodというそうです。

 赤茶色の葉っぱの朝の輝きを美しいと感じたのは、西洋の人も東洋の人も同じだったのですね。

 この空間だけ、いい香りに満ちた場所でした。

 

 

 今日は木曜日。昔は、「週刊新潮は明日発売です」とテレビコマーシャルが流れて、谷内六郎さんの郷愁に満ちた表紙に誘われたりしたものです。

 今は、紙媒体が衰退の一途ですから、新聞広告でギリギリの採算というところではないでしょうか。

 

 というわけで、もうええ年ですからやめたらいいのに、ミーハー魂だけは衰えずに、今朝もその広告に目を通してしまいました。

 紙面を埋める材料の乏しさというか、ニュースを切って落とせるほどの書き手が不足しているというか、はたまた、各社の掟が邪魔をしているのか。面白い切り口はなさそうでした。

 

 

 そんな中、「犬がもたらす健康長寿効果」に目が止まりました。

 「じゃれると愛情ホルモン濃度が3.5倍になる犬効果」は、犬を飼ったことのある人ならだれでも納得なさることでしょう。

 こんな記事で騙されないぞ、こんな記事で「文春」に勝とうなんて・・とも。

 

 

 それでも犬が友達であることは確かです。

 私が、今、飼ってるのは6才の黒パグ♂です。

 赤ちゃん時代はおしっこマットを食べてしまう困ったチャンでした。縄跳びロープを食べてしまって腸の手術をしたのは生後数ヶ月のこと。長く生きられないのではという危惧もなんのその。その後は元気に育って、家族を癒やしてくれています。

 

 当初の様子から、この子はアホかもと思ったこともありましたのに、実は違ったみたいです。人並みに?豊かな感情を備えていることを知ったのは、過日の出来事でした。

 

 

 夏の終わりでした。

 庭で、私が投げた遊び用の人形をくわえて戻ってくるという遊びをしていました。

 こんな事ができるようになったのは最近のことです。この子はできないとあきらめていました。

 ところが、なんと突然できるようになったのです。

 で、遊んでいたら、ご褒美のボーロを取り損ねて、私の手の親指にこの子の歯が当たってしまったのです。

 「痛っ!」。大袈裟でなく痛かった。

 その様子を察する力が彼にあろうとは思ってもみませんてした。

 その後、彼は元気も食欲もなく、そして吐いたのです。

 また、何か拾い食いしたんだろうとくらいに考えていた私に、「お母さんの指を噛んでしまったことがショックなんやわ」と娘に云われて、なるほどと思いました。

 犬は、さほどに賢い動物です。

 近頃のお犬様ブームはどうかと思いますが、犬が側に居てくれる生活は人間をどれほどの助けてくれていることでしょう。

 暑い日も凍える日も散歩に連れて行ってくれるし、こっちのさみしい気持ちも察してくれます。

 この感じは説明できません。お尻をくっつけて一緒に座っているだけで、辛さを吸い取ってくれているのではないかと思えるほどです。

 

 

 笑ってしまうのは、遊び疲れたときです。もうええで、とお尻を向けてグーグーと、鼾をかいて寝たふりします。

 どうして寝たふりって分かるの?それはね、真っ赤な薄目を開けてこっちを気にしている様子が見え見えでバレバレだからです。

 犬は人間以上に、どんな状況にも合わせる方法を知っています。つまりは、最高の相棒です。

 

 だから、今週は「週刊新潮」の勝ちかな~。