こころあそびの記

日常に小さな感動を

記憶力

 

 小学校五年生の孫娘はお手伝いが好きです。

 先日、一緒に洗い物をしていたら、

 「おばば、Aちゃん知ってるよね」

 「知らんよ」

 「こないだも遊びに来てたやん」

 「そう?右脳が弱くて覚えるの苦手やねん」

 すかさず、横から娘が、

 「覚える気がないんよ」。

 顔認証機能が壊れてるのは、今に始まったことではなく、ずっと昔に母から、

 「他人の顔を見るもんではありません」

 という躾に由来しています。

 覚える気がないから覚えられないのか、右脳がもともと弱いのか。

 覚える訓練を怠ったことと、老化で、最近はますます覚えられなくなって情けないことです。

 

 

 ところで、記憶力の形なのですが。

 本を読んで、映画のように情景を浮かべることのできる人は右脳の強い人といわれます。

 学生時代に、「読み、書き、聴く」の連動で覚えなさい、と教えられた者としては、勉強はそうするものだと思っていました。

 でも、そんなことしなくても覚えられる人がいるんですよね。

 そういう人は、見ただけで写真のように頭に収納されるそうです。

 生まれてこの方、ノートをとったことがない、といわれた親しい人がいます。びっくりしませんか。そんな頭脳の持ち主がおられることを。

 

 

 先日、有本香さんが、百田尚樹さんに、

 「あなたは、どうしてそんなにたくさんのことが頭に入って、しかも、必要なときに必要な部分を取り出すことができるんですか?」

と、尋ねておられる動画を見ましたが、いやいや、あなたも相当ですと、突っ込みたくなりました。

 

 また、昨日、拝見した安藤忠雄さんも、世界を渡り歩ける由縁は、クライアントの顔を直ぐに覚えられることが、仕事のスタートに欠かせないはずです。

 私みたいに、西洋人はみんな同じに見えるようでは、話になりません。

 

 

 ここは、みんなちがってみんないい。と収めるのが良さそうです。

 その上で、やる気です。

 娘が、お母さんは覚えようという気がないと言ったように、やる気がないものは吸収できません。

 人の顔はもはや無理にしても、自分の好きなことくらいは、「読み、書き、聴く」で、何とかキープしたいと思う今日この頃です。