こころあそびの記

日常に小さな感動を

昨日は臘月八日でした

 

 昨日は、臘月八日。つまり旧暦12月8日でした。ことわざに「臘月(ロウゲツ)鼓鳴りて春草生ず」とあります。具体的には「鼓を打ち鳴らし、頭には方相氏の仮面を被って、金剛力士像を作り、疫病を駆逐し、沐浴して災禍を払う」などを行ったと古文に記されます。つまりは厄払いを行う日で、その後に来る春節を迎える準備を整える日でもあります。

 

 

 (ロウ)という字を漢和辞典で調べると

 ①まつりの名。冬至ののち、第三の戌の日に行い、神々や祖先をまつる

 ②年のくれ。陰暦12月の別名。

とあります。

 *①に書かれている日が今の暦の12月8日です。

 

 寒い中国東北地方では、粟など八種類の穀類を入れた臘八粥を作って食べる風習があるそうです。温かい食事が身体を温め、寒邪の侵入を防ぐ意味があったと思われます。

 

 さて、臘〔ろう〕は猟〔ろう〕なり。臘日は「田に獣を猟取し、以てその先祖を祭祀する」日だったそうです。

 農耕に依存できるようになる以前の人々の生活は、自然物採集または狩猟により多く依存していました。

 示(しめす)ヘンの左右に見える点々は、何かご存知ですか?これは、神に捧げた獣肉から滴り落ちる血だとか。

 ということは、漢字が出来た時以前から、神事はなされてきて、その捧げものは肉だったということが分かります。

 特に、寒さの厳しい地方では、稲作の普及は遅れたことが想像できますから、古くは肉食だったのでしょう。

 

 

 かくいう私たち日本人も、年越しに集まって、ご馳走を食べます。そのメインはやはり肉が喜ばれます。

 寒い冬はカロリーも思いのほか使います。肩をいからせて、毛穴をぎゅっと閉じることは、暖かい季節には要らない防衛です。たっぷりと栄養補給して新年を迎えましょう。

 でも、その心は、先祖と豊作に感謝することであることを忘れないようにいたしましょう。古代から続いてきた原始の姿と重なる自分がお祈りしている。そんなことを思って瞑目できることがほんとうのしあわせのように思っています。

 

 

 今年もお世話になりました。

 拙いブログを読んで下さった皆様

ありがとうございました。

 どうぞ、お健やかによいお年をお迎えください。