やっと静かになった部屋で、復路レースを観ることができました。
駒沢大学が往路復路とも一位で総合優勝に輝きました。
東京の大学のことはよく分からないのですが、駒沢大学は、ちょっと知っているんです。
大学生の時、北海道旅行で知り合った三人組の男の子が駒沢大学生でした。それが、信じられないことに、後に関西旅行にやってきた際に、うちの家に泊めてあげたことがありました。
どうしたわけで、怖い母が許したのかも、その時の母の気持ちも分かりませんが、泊まって帰って行きました。
ちゃんと手土産持ってきて礼儀正しい人たちでした。それが、男の子を持たない母にとっては好印象だったのでしょうか。
同い年ですから、今頃みんな初老です。お元気でしょうか。
というわけで、駒沢大学には親近感を持っているのです。
大八木監督は、併走する車から「男だろ!!」という檄を飛ばされることで有名でした。
ですが、今年は聞けずじまいでした。というのも、指導方針をチェンジされたというのです。
1965年生まれといいますから、昭和色を背負った監督は、当初、口答えや逆らうことは御法度という方針で導いてこられたそうです。
しかし、それでは平成生まれの子どもは付いてきませんから、自分で考えさせるように方向転換されたのです。
今の若い人は本当に賢いですね。
その監督の意をくんで見事に、出雲、全日本、箱根の大学駅伝三冠を達成するという高みに登りつめました。
自分たちで何とか監督を胴上げしたいという気持ちがモチベーションでした。
走法や体力など課題が多い中でも、やはり一番は気持ちだと解説者がおっしゃっていました。
いつか、あの時の泣きたいくらい頑張った自分を誇りに思う日がくることでしょう。おめでとうございます。
選手の走る姿を見ていると、どうしてもご両親のことが思い浮かびます。
手に汗握って応援されている方もあれば、祈るような時間を過ごされた方もあるかもしれません。
そして、レース終了後は周りの人に「孝行息子を持ったね」というお祝いメッセージが届くことでしょう。
まさに、親孝行の極みです。
しかし、親孝行とは、親に真心を持って尽くすこととされたのは昭和流になってしまった感があります。
大八木監督が方向転換されたように、令和の「孝」は子どもを遠くから見て邪魔しないことかもしれません。
若い人が元気で過ごせる世の中でありますようにと祈る日々です。
そして、そのことを自分の親もしてくれていたとは、ついこの間まで知らなかった。
こうやって、静かに受け継がれるのが「孝」であってほしいと気づく駅伝でした。