梅が膨らんでいます。暖かい日がもうしばらく続けば、咲いてしまうかも。
立春近し。
でも、本番を迎える受験生には遠い春です。
日本中の人が応援しています。コロナ禍の君たちの高校生活がどんなものであったかを知っています。がんばれ!
払暁、5時の空はまだ暗くて、春の放物線が見えました。お弁当を作り終えてから、朝刊を取りに出ると、すでに、朝のマジックアワーが消えようとしています。
振り返ると、下弦の月と茜雲が浮かんで、そのどちらもが、太陽の光で輝いているんだと思うだけで、宇宙の中に立っていることに感動します。
ところで、マジックアワーの色ほどほど柔らかで心落ち着く色はありません。
限りなく薄いピンク色が、空の青色に混じり合って、しばし、神様が作られた色彩の妙に感じ入ります。
青と赤。
青は鎮静の色。五行では春を表し、青春という人生で一番生気あふれる時期を指します。
赤は興奮の色。同じく、五行では夏表し、また朱夏という表現もあります。古代インドでは「家住期」といって、仕事や子育てにフル回転する時期を指します。
ついでに、秋は白色です。「林住期」は、仕事や子育ての役目が一段落して、自分の内面の充実を図るときです。
そして、冬は玄色(くろうとの黒)。75歳からの「遊業期」は、しがらみから解かれて、なにものにも囚われることのない時期になります。
人生を四つの段階に区切った古代の人々。実際は、それぞれの季節を、意識する間もなく駆け抜けたことでしょう。
理由なんて後付けです。
一生懸命な今を繋げて、駆け抜けることが、最高の生き方に思えます。
ちなみに、人は目の前の色を見ながら、自分の中の精神の調整を図っていると言われます。
赤い色を好んでいる人は、心の中では青を見ているそうです。
淡いピンク色は拡張とか緩める安心作用があるらしいので、私の場合、マジックアワーに感動するのは、心のさびしさを払拭したいからなのでしょうか。
いろんな意味で、心惹かれる朝夕の淡いグラデーションの時間です。