こころあそびの記

日常に小さな感動を

りんごを買いに

 

 今日は七十二節季の「大寒」です。 

 暦に合わせたように、四十年に一度という大寒波が、来週襲ってくるようです。寒さに入り込まれない工夫をして過ごしましょう。

 中国(写真)では、明日が大晦日で、明後日が春節(旧正月)。新しい年の始まりです。高揚感が伝わってまいります。

 

 

 さて、今朝はうれしいメールが届きました。それは、「空を見られるようになりました」というご報告でした。

 空から金の粉が降ってくるのが見える、と私たちをびっくりさせたのは、中医師・梁平先生です。

 金の粉までは見えずとも、空からは絶えずエネルギーが降り注いでいることは科学的にも証明済みです。

 しかし、そのエネルギーを享受するには、肉体側にそれを受け入れるだけの入れ物が必要です。

 鬱うつしているとき、空を眩しく感じるのは入れ物が不調のしるし。両手を広げて空を見上げられるのは元気になった証です。

 友が知らせてくれた言葉に回復の兆しを感じられたことが、うれしい朝でした。

 

 

 今朝の「朝晴れエッセイ」に『妹とりんご』と題した八十代の女性の投稿がありました。

 

 山形県の雪深い地方で幼い日を過ごした彼女。

 ある日、4歳だった妹さんが発熱します。お母さんが「りんごを買ってきてやって」と、小学五年生のお兄ちゃんと小学三年生の私に頼みました。兄と私ははぐれないように、しっかり紐でくくりつけられて5キロ先の店まで、雪の中を歩きます。

 吹雪で消えた雪道を這うようにして戻った戸口に、お母さんが待っていました。

 お母さんが早速、りんごをすりおろして妹の口に運んだら、唇が動いたのです。

 お母さんは「あんたたちのおかげでこの子は助かった」と、涙声で言ったそうです。

 

 おつかい、雪、温かみの三点セット。

 読後、直ぐに思い浮かんだのは新見南吉の『手袋を買いに』です。この創作の下敷きではないかと思えたほどの実話でした。

 投稿者の子ども時分の体験が、長い間、胸の中で温められ続けて、懐かしくて忘れられない思い出になっていることに感銘を受けました。

 今日では、こんな経験できないだろうと思うのは、お気楽な町の人間だからでしょう。雪深い地方では、車が動かせない日にはこんなことが起こってしまっても不思議はないですね。

 

 

 閑話休題

 子どもの頃、発熱時に、りんごをすりおろして食べさせてもらったことのある人は、少なくなりました。昭和の記憶です。