BS「ガイロク」という番組の面白さは、市井に懸命に生きる人の話をゆっくり聞かせてもらえるところです。
同じように息を吸って吐いて生きているように見えるのに、それぞれが違うお話をされます。もう、何年も放送されているのに枯渇しない様々な体験談を、一緒に泣き笑いしながら聞かせてもらっています。
お話のテーマは毎回、「人生のピンチ」です。
今朝のお二人。
お一人目。コロナの自粛で体調を崩してしまわれた女性です。辛抱できず、心療内科にかかったとき、ドクターの「あなたみたいな人、多いんだよ」という一言で、気持ちがうんと楽になったそうです。
二人目は、ご主人が突然、脳梗塞で倒れて、治る見込みがないと宣告されたとき、友人が「大丈夫、大丈夫と思ってたらいいよ」と言ってくれた。そう思って毎日過ごしたら、本当に主人も元気になった、というお話。
私たちは、戦後教育で、理詰めで物事を解決することを教えられてきました。
でも、このお二人は理屈ではない、雲を掴むような言葉で、自分が蘇ったという体験を話して下さいました。
人間は機械ではない。見えない力のおかげも頂きながら生きていることを、ピンチの時には特に感じます。
行き詰まりは息詰まり。そうならないように、気をつけて過ごしているつもりでも、自分が煮詰まっていることをもどかしく思うことがあります。
そんな気分からの脱出に効く特効薬は外に出ることだと、今日の空を見た瞬間に思いました。
春立つ日雲の貌までやわらかく
空に浮かぶ雲がやわらかくなっていたのです。それを見たとき、ピンチを越える極意は、此処にあることを実感しました。
それが、どんな時かといえば、心が自然と歩調を合わせて互いに溶け合っている時といえるように思います。
気をつけているつもりでも、心が煮詰まることがあります。特に何があったわけでもないのにです。
そんな自分を解き放つために自然が存在しています。
空を見て、花を見て、鳥を見ているうちに、気分がニュートラルにもどっていることに気づかされます。
大丈夫!と、励ましてくれる自然です。