こころあそびの記

日常に小さな感動を

新社長記者会見

 

 まぁ、作りに作ったもんです。

 本日は、誰が、いつから始めたのか、バレンタインデーなんですって。

 一年に一度のワクワクデー。

 スーパーのチョコレート売場で、おばあさんがおじいさんに「どれにする?」と訊ねておいででした。微笑ましくて、こんな日もいいなと思いました。

 

 

 トヨタの佐藤恒治・次期社長の記者会見を見ました。

 ひとが他人に与える印象の中で、意外なことに”声”が大きな割合を占めるといわれます。

 新社長の心地よい声にまず、安心感を持ちました。多くの人を虜にする太くて温かなお声でした。

 

 新社長の整理されたお話ぶりのようにはまいりませんが、素人ばばあの感想をいくつかあげてみたいと思います。

 

 

 一つ目は、会見中、決して否定語を使われなかったことです。同席された役員の方々を含めてです。

 トップ企業を牽引する会社のトップですから、当たり前とはいえ、笑顔で質問者に誠実に応えられる姿に、人に対面するときの基本を教えていただきました。

 

 二つ目は、「自由に自分のやりたいことを自分で決める時代に入ってきました。お客様のそんなニーズにお応えし実現していきたい」という言葉です。

 「そうなんだよね!」と思わず膝を打ってしまった私です。

 やりたいことがあって生まれてきたのだから、自分の課題を叶えるためには、自由でなくては始まりません。

 人間に許された「自由」が、今から始まる未来にはきっと広がるはずという手前の持論が、今の世界の常識になりつつあることを何よりうれしく思いました。

 

 三つ目は、登壇されていた役員の方が口々に、「章男社長の元で、たくさんの失敗をしてきました」とおっしゃったことです。

 1月の社長交代の発表時に、章男社長のお顔にいつもの溌剌さがなかったので、少し心配していました。でも、それは、やりきった安堵感の表れだったのですね。

 次を担う人材を育てることを、ご自分の最大の仕事と課せられていたことが察せられます。

 それは、失敗をさせる。そのことで、本人が自ら学ぶ。それを貫いて、人材育てをされたことが分かりました。

 育てるとは、障害を取り除くことではなくて、能力の限りを尽くして失敗させること。

 そうでないと人は育たないことを見せてくださいました。

 また、章男社長が、作業着やレーシング服で社内におられるのも、教育の一環ではないか推察しました。この会社は「車を愛する」ことが原点であることを示すためでありましょう。

 

 

 会見を拝見して、章男社長の最大の功績は、未来を託せる素晴らしい後継者をお育てになったことだと、強く思いました。

 力強く頼もしいチーム力で「日本の基幹産業として、日本の扉を開けていきたい」という言葉が必ず近未来に実現することを確信しました。