春の陽光を感じて、細い葉っぱを吹き出してくれただけで、生きてたの?とうれしくなりました。
そして、昨日、ついに花を咲かせてくれたクロッカス。
精一杯の力を漲らせています。
たった数輪です。ありがとう。
春の目覚めが、あちこちで目に付くようになりました。誰に催促されるわけでもないのに、自然が循環しています。
しかし、ひょっとしたら、私たち人間の、早く咲かないかなという気持ちが伝わって、自然を動かしているとしたら。
近い将来には、そんなメカニズムが解明されるかもしれません。
というのは、福岡伸一さんの『動的平衡3~チャンスは準備された心に降り立つ~』の中に、こんなことが書かれていたのです。
ガン細胞の画期的な治療法についてです。
もし、究極の治療法があるとすれば、
ガン細胞に向かって「君はもともとちゃんとした大人の細胞だったはずだろう。正気を取り戻したまえ」と諭すことではないか。と。
ガンがストレスによって発現することは、知られていますが、ストレスの軽減を飛び越えて、こんな研究が実際に進んでいるようです。
ガン細胞はもともと自分の細胞です。自分に言い聞かせることによって自らを取り戻すなんて、凄く古い方法のように感じます。
しかし、与えられた”いのち“を生きるとは、どんな場面にあっても、自分の思いを反映していることは間違いありません。
原始の人間がどう生きたかを検証することからヒントが得られる近未来。そこに、少しの希望を見た思いがしました。
今週号の文春で、話題になっているのは、「上野千鶴子さんが入籍していた」というニュースです。
彼女はフェミニストの先鋒に立ち、「おひとりさま」という非婚を世間に広めた東大教授です。
うがった見方をすれば、少子化の一因を作ったともいえます。
そのご本人がパートナーの介護をして、お見送りなさったと、大騒ぎです。
めでたしめでたし、です。
彼女の内にあった命に直結している古い細胞が、正気を促したのでしょうか。
人間はなにをもって”えらい“というか。
スクスク育って、結婚して子どもを育てる。それに尽きると言った人があります。
一番大切な生物としての生き方。
それを全うしてはじめて生きたことの証になります。
彼女は、今まで女性を扇動してきた立場からして、しばらく、叩かれることでしょう。
でも、人間として、生あるうちに、普通の感覚に戻れたことは何よりの幸いでした。
だから、上野教の方に申し訳ないけれど、大多数のふつうの女性から懐疑心を払拭して、安心感を与えてくださったことに、ありがとうと伝えたい気持ちでいっぱいです。
いのちがよろこぶ生き方は、当たり前に生きることだと、体の奥の方から叫ぶ声が聞こえます。