こころあそびの記

日常に小さな感動を

かすみはじめてたなびく

 

 曇天の朝。今日の気温は、夜間は6度で昼間は7度とのことです。あらら、日変化はほとんどないのですね。 

 静かな雨の一日になりそうです。

 でも、油断は禁物です。今晩からまた寒くなって、北国は雪予報がでています。

 

 

 七十二候は、雨水の次候、「霞始靆(かすみ はじめてたなびく)」に入ります。

 ”霞“は音としては美しいイメージを思い浮かべますが、遠くの山々やビルがかすむ様子を想像しただけで、体に異変を感じるという方も多いと聞きます。

 この霞の原因が、植物の蒸散が始まったために空気中に水分が増えたことと考えると、敵視する気持ちは少しは落ち着くのではないでしょうか。そうなんです。春が直ぐそこまで近づいたのです。

 「2月の薔薇の手入れ」という番組を見ていたら、「もう、植え替えはしないでください。根っこは動き始めました」と、先生が教えておられました。

 

 5度から10度で植物は冬眠から目覚めます。1951年~1980年までの30年間の統計では、2月10日から3月25日の東京の気温が、丁度、この気温範囲にあるそうです。

 今と殆ど変わりません。自然はいためつけられている。なんて巷で囁かれますが、どっこい、そんな柔なものでないことに安堵します。

 

 七十二候にある「靆」という字を、調べてみました。

 雲を逮える。雲が連なりとどまっている様子から、たなびくという字が作られたと思い浮かべるだけで、この難しい字を忘れることはなくなりそうです。

 

 日本でも近頃、「創作漢字」なるコンテストがあります。漢字は遊び始めると結構楽しめる要素が満載です。

 中国では、とんでもないほど既存の字を詰め込んだ漢字を作って、画数を競っています。

 

 

 これは、有名ですね。

 ビャンビャン麺です。

 あちらは、小麦粉文化ですから、麺を作ることはお手のもの。小麦粉を練って、長い長い麺に空中で伸ばしていくところは、ピザ職人と同じ手法です。

 

 

 こんなのもあるそうです。

 これは、食べ物ではなくて、「招財進宝」を、寄せ集めて作ったように見えます。

 縁起担ぎに、商売人の看板に使われているそうです。

 

 

 このように、中国では画数の多い字が次々に生まれています。

 これを漢字というのか、デザインと考えるべきか。迷うところですが、先ほどの「靆」という字の成り立ちは真っ当です。

 雲という意味ある形と、逮(タイ)という音を組み合わせた漢字。これを形声文字といって、全漢字の八割はこの「意味+音」という組み合わせでできています。

 ええっ。漢字は象形文字ではないの?違うそうです。見えるものだけで森羅万象は表現できないですものね。