こころあそびの記

日常に小さな感動を

足るを知る

 

 北風と南風の陣地取り合戦は、そう簡単には、決着がつかないようですね。

 今日の北風を冷たく感じたのは、体が春の日差しに馴染みつつある証拠です。

 昔から、春はゆっくり衣替えするようにといわれています。

 それは、いったんゆるんで毛穴が開きかけたところに、冷たい日がやってくると、寒邪に侵入されてしまうからです。

 そうさせないように、しばらくはカッコ悪くても、厚着気味がよいようです。春服に着替えるのは、もう少し我慢しましょう。

 

 

 買い物途中、カーラジオから、「昔は、ツバ付けといたけどな。でも、今から思えば、ようあんなことしてたな」と、怪我をしたときの処置の仕方についてのお話が流れてきました。

 ちょっと、待った!と思って、運転しながらチャチャ入れてしまいました。

 このコメントは漫才コンビますだおかだ」の増田さんだったと思います。

 賢い人でもそう思うんだとびっくりしてしまいました。

 彼も戦後教育で育った世代ですものね。

 怪我をしたら、マキロンでばい菌を殺菌して・・・それは、試験管の中のお話。

 ツバには、何百何千という酵素が含まれています。しかも、体を構成している成分ですから、当然、体に優しいです。

 ツバをつけて、何か差し障りがありましたでしょうか。ないはずです。必要なものはすべて準備されているのが、私たちの体です。

 そして、今では、ツバよりもすごい体の働きが発見されました。

 それは、サランラップ療法です。

 傷は、汚れを落としてサランラップを当てておけば、体の酵素が集まってきて傷口を治してくれるのです。

 保健室でアルコール消毒して、ヨーチンを塗った日々が懐かしいけど、あれは、まだまだ肉体の力を知らない時代のお話だったのです。

 

 

 私が肉体の力を信じるようになったのは、多分に、自分の経験からだと思います。

 小学生のころ、転んで、腎臓を強打して血尿が出ました。

 薬はありません。入院して、じっとしていたら治りました。

 それから、娘は、山道で犬に引っ張られて転倒したことがありました。上唇が裂けて、女の子なのにどうしようと焦りました。それでも、縫合という手段は避けて、アロエを貼っていたら、きれいに治りまして跡形もありません。

 

 このような経験を通して、自分の体を治すのは自分の力だと、信じるに至っています。

 試験管の中で有効とされる無機的な治療法が、人体という有機体にどれほど役立つものなのかは、まだまだ未知数です。

 

 薬はもちろん人類を救うために研究がなされるのは当然です。

 しかし、たとえ素晴らしい薬が完成したとしても、それを販売するのは、別の力が働くこともあるでしょう。

 善意だけでは世の中は回らない。

 コロナ流行時にいやというほど知りました。

 

 

 だからこそ、何が大切かというと、自分の嗅覚、第六感です。

 隣人の行動に惑わされてはなりません。決断は自分の任務です。

 私たちの体は、主人に恩を着せもせず、24時間、黙々と働いて傷んだ箇所の修復につとめています。

 外からの足し算は要らないのです。内に不足はないことをまず理解して、それから満たされていることを実感する。それが何よりの健康法だと思うのですが。