こころあそびの記

日常に小さな感動を

ひなまつり

 

 雨戸を開けようとして座敷に入ったら、部屋じゅう桃色に染まっていました。

 光の出所は思った通り、欄間から洩れてきた満開の梅の花でした。朝陽に反射してたのです。

 こんなことも、ゆっくりした時間があって気づくこと。老年とは楽しいものです。

 

 

 娘が生まれたときに買ったお雛様。

 もう四十年も経つんやねと、過ぎてしまった時間の速さに感慨を覚えます。

 でも、うちのお雛様、なんかヘン!

 写真を取るとき動かしたのでもないんです。見つめ合ってませんか?

 娘に、なにこれ?って聞いたら、睦みあってる方がいいでしょ、だって。

 時代は男女同権から更に進みつつあります。堅苦しさから解放されて、思うままに生きようとする、若い人たちの気持ちが表れた我が家の雛壇です。

 

 

 今朝、ユーチューブにイモトアヤコさんが上がってきたので、見てしまいました。

 彼女は今、乳児を育てる母親業と仕事を両立してがんばっています。

 赤ちゃんが隣で寝てる、とのことで小声でコーヒーを入れてくださいました。

 豆をミルでひいた途端、画面からいい香りが漂ってくるように思ったのは、私が抱く彼女への好意の表れかもしれません。

 仕事をこなし、子育てをして、なおかつ、少しの空き時間をこのように有効利用するという姿勢に頭が下がります。

 

 「仕事は忙しくしてる人に頼め!」と云われます。

 暇な人に頼め、の間違いじゃないかと思いそうですか、あにはからんや、忙しくしている人こそ、ちゃちゃっと仕事の合間に余分な仕事もできてしまうのです。

 イモトアヤコさんさんはそんな人なんだろうと思います。

 

 “齷齪”という難読漢字は「あくせく」と読むと知りました。

 せかせか気ぜわしく動き回ることができなくなった今だから、ゆったりとした気持ちで過ごしたい。でも、その心は空虚ではない。

 そんな両立を目指して過ごしたいものです。

 

 

 

 雛祭りのお寿司は娘に任せて、ロールキャベツを煮込んでいます。ヘンな献立です。(笑) お安く仕入れたキャベツが傷む前に。