いい試合でした。
運動とは縁遠い私ですが、一次リーグから、昨夜の準々決勝まで見通しました。
スポーツにおけるドラマは作り物ではないところが、たまりません。
「みんながうれしい村上の一打!」と、多くのコメントが寄せられた村上君の昨夜の連打。彼自身だけでなく、たくさんのファンの人たちが溜飲を下げたに違いありません。
ずっと、ベンチで独りポツンと白い顔で座っていた彼を、どうしたら蘇らせることができるか。
みんなで気を使ったことでしょう。それが、また、本人にはプレッシャーとなる悪循環でした。
そして、とうとう、昨日は、打順を大谷選手から一番ずらして5番と発表されました。
その瞬間、行けそうだと直感しました。案の定、結果が出ました。栗山監督さすがです。
重圧から、ほんの少し解放されることで、ようやく快音が響きました。
二塁ベース上で満面の笑みで、ミルミルパフォーマンスしていた彼は、本来の自分に戻れた喜びに溢れていたようでした。
ファンのみならず、「みんながうれしい」村神さまの復活劇が見られて、最高でした。
ところで、試合中継を独占したテレビ局は、これでもかとCMを流しました。
いい加減にしてよ、と思う中に、大谷選手を起用した銀行のコマーシャルがありました。
「野球が頭から離れることはありません。うまくなるためにやることは、まだたくさんあります。」
最後の決め言葉が、
「今日やったことだけが明日になる」です。
貯金を納得させるために、選手にしゃべらせるなんて、うまく作りましたね。
もちろん、今日の土台の上に明日の希望が載ることに異論はありません。
そこで思い出したのが、少し前の新聞に掲載された、“昨日”という日を素敵に表現した詩です。思わずメモさせてもらった5歳の男の子の詩です。
「昨日にもどりたい」
ぼく 昨日にもどりたい
昨日は楽しい日やった
今日もおもしろかってんで
でもな
昨日はほんまに
おもしろかってん
明日も ぜったい
おもしろいねんけどな
ああ
昨日にもどりたい
子供らしいし、一読して読者を童心に帰らせてくれます。あぁ、そんな日があったよな、と。幸せだったあの日のことです。
きっと、今日の村上君は、こんな懐かしい幸せ気分を味わっているように想います。
幸せだった昨日に酔うことで、きっと、明日に繋がるはずです。心を満タンにして、さぁ、進もう。