こころあそびの記

日常に小さな感動を

サボテンの花

 

 テラスの隅に置きっ放しだった多肉植物に花が咲いています。名前は「朧月」というそうです。

 この小さなサボテン。お友達と宝塚の山本を散歩中に、見かけたものです。

 愛好家のお宅の前に、器込みで200円で並べられていたものを持ち帰りました。

 ほったらかしでも、主株から茎を伸ばして花を咲かせるパワーはさすが、北米の荒野生まれです。

 と、同時に、いのちは生命体の中で完結していることに、あらためて思いを致したことです。

 シンガーソングライター、財津和夫さんが、サボテンの花に彼女の残映を重ねたのは、その小さなたくましい姿だったのでしょうか。

 彼が感じたような繊細さを持ち合わせない私のもとで、花を咲かせてくれた意味を考える朝でした。

 

 

 この篆刻がなんと彫ってあるかわかりますか?

 答えは「左手」です。

 先日の聴講で教えてもらったのですが、画像の真ん中にある鍬のような形が「手」の古代文字です。

 

 また、中国の学生さんから、「妻」という字の中央に「ヨ」みたいに見えるところが、「手」だという説があると聞きました。

 女が手で後ろから髪を掴まれているところから、「妻」となったとか。

 今、そんなこと言ったらハラスメントで訴えられます。

 が、漢字の表すものは何千年も前の人々の生活とセットだから、そんなところにも研究の面白みがありそうです。

 

 そういえば、漢方薬を勉強し始めたころ、「当帰芍薬散」の意味を教えてもらったことがありました。

 女性のための薬です。

 「当(まさ)に帰る」と読みます。どこへ?それは、婚家です。

 女性の家は生まれた家ではなくて、嫁ぎ先ということです。

 今は通用しない過去の世相を残した漢方薬です。

 

 

 男尊女卑社会や結婚が一生ものであった時代は終わったように見えます。

 社会が成熟しつつある現代は、こういう因習から解放されて、女性は自由になりました。

 その分、また別の生きづらさの訴えが増えているのも事実です。

 

 

 その原因の一つに、情報過多があります。

 たくさんの中から何が真実かを見極める目が大切です。

 でも、もし、分からなくなったら、情報から手を引くことだと思います。真に自由になるためには、束縛となりそうなものから逃げることです。

 知っておいた方がいいことなんてしれたものです。

 そう居直ることの方が、自分の心と体を守ることに繋がるように思います。