先のWBCでは、たくさんの英雄を見ることができました。
「大谷翔平が許してくれるなら、養子に欲しい」と、ある作家がおっしゃるほどに、今や、あの自律心を育てたご両親の子育て術は日本中の憧れとなりました。
ところで、近頃、野球から遠のいていた者としては、WBCは、久しぶりに野球の面白さを再認識させるものでした。
大谷翔平選手、ダルビッシュ選手の他にも、旬の選手が居ることを知りました。
その中に、えらくかわいらしい選手を見つけました。夜な夜な、彼の出ているYouTubeを観てほくそ笑んでいます。
宮城大弥選手といいます。
立派な体格の選手に囲まれたら、見えなくなるほど小柄です。
それでも、そこに居ると分かるのは、メンバーに愛されている様子が漏れ出ているからに他なりません。
沖縄県興南高校から二度の甲子園出場を果たし、あのダルビッシュ選手に「あんな選手になりたい」と言わしめた人らしいです。
そんな彼の持ち味の一つである処世術は、大家族の中で育てられたように思えます。
自己主張は控えめで、上手に嫌みなく甘えることができる愛されキャラながら、へんに落ち着いています。
オリックス入団契約金から、「(社)宮城大弥基金」を創設して、沖縄県のアスリートを目指す子どもたちへ寄付をしたと聞きます。それは、ご自分が野球を続けるに当たって金銭面で苦労したからだそうです。
まだ二十歳そこそこ。できそうでできないことです。
我が家の階段の踏み板に貼ってある言葉があります。
「誰でもできることを、誰もができないくらい続けた人が勝利をつかむ!」。
宮城大弥選手は掴んだ勝利のその先まで知っていることに頭が下がります。
独り占めしないで、分け与えられるところが稀なる若者といえる所以です。
出身校である興南高校の恩師に「ジジイ」と呼ばれるほど、老成した雰囲気がにじみ出るのは、彼の中身の成熟度合いを示しているのかもしれません。
多くの誘惑を振り払って、どうか、彼が目指す四十代まで、息長く一流選手で居続けて欲しいと心から願って、応援しています。
宮城大弥選手、ガンバレ。