こころあそびの記

日常に小さな感動を

宵の明星は今が旬です!

 

 足の調子が悪くて、夕方に出かけることを長らく控えています。

 お空のドラマを見に行きたい。

 そう思っていたら、大形先生のラインにこんなにきれいな夕空が上がっていました。

 

 

 お月様は今、新月から三日月へ、そして、徐々に半月に向かっています。

 写真をよ~く見ると、三日月の左側半分が光って見えています。

 これが「地球照(earth shine)」です。双眼鏡なら見えます。天文の本には、そう書いてあるのに、用事があったり、こちらはフリーでもあちらは雲の中だったりと、なかなか観察がかないません。

 

 地球照とは、月が欠けて暗くなっているところが、ぼんやり見える現象のことです。

 その光はどこから来てるの?

 それは、太陽から発した光が、地球に当たり、その反射光が月を照らしているそうです。

 私たちの目に入るまでに、どれほどの旅をしてきた光なんでしょう。

 その遠い旅路に思いを馳せられることが、天体観測の楽しさでもあり、同時に哲学でもあります。

 

 

 これは、富山天文台から拝借した図です。

 メソポタミアの人たちが見ていた空にも、太陽と月と金星が描かれています。

 紀元前の空はどれほど美しかったことでしょう。

 星は数え切れないほど夜空を埋め尽くしていたはずなのに、金星はそれとはっきり分かるほど、その輝きを誇っていたのですね。

 それから何千年隔てた現代人の目にも同じ星の光が届いていることに感動を覚えます。

 見えてあたりまえ。は、もったいない気がします。

 

 

 

 そして、月の直ぐ左で輝く一等星が金星です。宵の明星。太陽が沈めば真っ先に光りだす一番星です。

 この星が美しいのは“今”です。

 西側に光るのは8月末あたりまでです。9月には東側の明けの明星として上ってきます。早起きさんしか、お目にかかれない星になりますから、今がお得というわけです。

 

 それから、よ~く見ると、お月様の上に2つ並んだ星が写っているのが、双子座のカストルポルックスです。

 その左側、少し離れた赤色の星は火星。

 あきることない天体観察です。

 

 

 やれやれ、今宵は雲が出てきました。

 しばらくの雨予報が恨めしいことです。

 次にお目にかかれる日には、暗がりでもスイスイ歩けるようになっていたいです。