こころあそびの記

日常に小さな感動を

映画『優駿』を観ました

 

 雨の歩道で、目が覚めるような黄色の花群に出会いました。

 美容柳(ビヨウヤナギ)というそうですが、正しくは未央柳(ミオウヤナキ)といって、楊貴妃の宮殿の名前から採られたといいます。中国からやってきた華やかな花です。

 

 

 山の方は霧が立ちこめて、山水画の趣です。

 湿度の高い日ですから、香りの感度が上がります。どこからか、甘い匂いがしてきたので、側の垣根に鼻を近付けてみました。

 正体はこの白い花、ネズミモチでした。

 名前からは、想像できない可愛らしい花と匂いでした。

 

 

 昨日、お馬さんを見に行った余韻から、お昼に放送されていたBS『優駿』を観てしまいました。

 この映画が制作されたのは1988年。

 今から35年前といえば、子育て真っ最中でした。

 大叔母から、「子育てする頃が人生の華ですよ」という励ましのハガキをもらったことがあります。

 その日を無事に過ごすことだけを考えて、無我夢中でした。大叔母からのメッセージは、今となれば、真実であったと分かります。

 急峻な子育てが終われば、人生は緩やかになります。

 だからこそ、目の回る日々こそ、人生の華。いのちの持ち分をすべて使い果たしても悔いを残さないように過ごしなさいと、大叔母が子育て奮闘中の姪に伝えてくれた言葉だったと記憶しています。

 

 

 閑話休題

 映画『優駿』は、フジテレビの制作です。

 あの頃のフジテレビは泣く子も黙らせる勢いがありました。

 なので、仲代達也さんから田中邦衛さんまで、豪華俳優人を揃え、しかも、緒形拳さん親子を、実際に親子役で登場させるという念の入れようです。

 『南極物語』や『北の国から』で一世を風靡した時代でした。

 

 映画自体はダービー馬を題材にしているわりには、暗い作りでした。

 有り余るお金をかけた映画は、お金の使い方が下手なように見えました。

 

 フジテレビは今やあの頃の勢いはどこへやら。

 凋落を食い止めることに躍起になっているように見えます。

 お台場の社屋は、風化が激しく、さひしい状態と聞きます。

 どんなにたいへんであっても、一報道機関としての矜持は失って欲しくありません。

 自己満足的な報道姿勢からの脱却を願っています。