ドクダミの十字花が咲き広がっています。遠目にかわいいから、この花の模様はテキスタイルデザインナーには魅力的に映るのではないでしょうか。
朝のルーティンが終わってホッとできる時間。コーヒーを飲みながら観る番組に異変が起きています。
『日本縦断こころ旅』は、このところ昨年収録分の放映が続いています。それは主人公の火野正平さんの腰がついに音をあげたからと告知されました。
昨年の時点で、腰椎に疲労骨折が見つかっていたというのに、よく番組を続けようという気持ちになられたものと、同病者として胸の痛む日々でした。それでも決行する意思に、本人の人柄を見る思いがします。
若いときに週刊誌に散々追い回されたのは、彼自身が言っているように、「俺は何もしてないのに、勝手に女の方がついて来る」というのが嘘じゃなかったからでしょう。
それは、番組内で行き交う人が口々に、「正平さんがんばって、応援してます!」と声をかけたくなる様子を見れば分かります。
何もしてくれなくても、かまってあげたくなるような何かをもつ人なのでしょう。
腰に爆弾抱えながら自転車をこぐのは危険極まりないからやめた方がいい。他に方法はないものかと、ここしばらく、はらはらしながら観ていました。
というのは、自転車は腰痛を悪化させるということを知っているからです。
それでも、正平さんが使わざるを得なかったように、子育てママは自転車が必需品です。
私も子育て中は乗りまわしていました。忘れられない自転車アクシデントは、幼子を前と後ろに載せ、もう一人を背中に負んぶして横断歩道を渡っていたとき、どうしたことか誤って自転車が傾き、横転しそうになりました。信号が赤くなっても、自力で立て直せなくなって往生していましたところ、一台の自動車から男性が降りてきて、起こしてくださったのです。
この世には、ひどい人もいるけれど、捨てたもんじゃない。こんなに優しい方がおられることが、胸に沁みた出来事でした。
私みたいな薄情者は、他人を信じることが、なかなかに難しいのですが、その後の人生を頑固なバリアを解き放って心穏やかに過ごせるようになったのは、こんな私を助けてくださったたくさんの方々のおかげだと思っています。その一人が彼でありました。
閑話休題。
火野正平さんは、13年間も自転車旅行を継続されたわけで、傷み方も尋常ではないと推測されます。
十分な休養が取れないところに、撮影スケジュールというストレスが追い討ちをかけます。
痛みとは、ストレスの度合いと大いに関係します。ストレスが大きくなれば、痛みは酷くなるものです。
今さらながら、俳優さんのお仕事のたいへんさを認識します。
もう、坂を上る映像は充分に見せていただきました。
どうか、今後は、無理をしないでください。楽しみにしていた番組ではありましたが、正平さんが中止を選択されても誰も文句は云わないはずです。
たとえ類する番組があったとしても、この『日本縦断こころ旅』は、どれにも負けない、正平さんが打ち立てた金字塔です。
胸を張って、終了宣言なさってください。そして、いつかまた、お元気に「妊娠するぞ~」と笑わせてください。