こころあそびの記

日常に小さな感動を

お節介婆

 

 きのうは、話題に事欠いて『どうでもいい話』と題してしまいましたが、それは心にもないこと。私の頭のなかから離れない心配事の一つはこのことです。今朝の『虎に翼』はタイムリーでした。悩める寅ちゃん騒動を見て、その思いを一層強くした次第です。

 

 

 今、世界中で子育てをしながら働く女性が増えています。

 もともと子どもに興味がない人は別として、多くの彼女たちの悩みは、いかにして仕事と育児を両立させるかということに尽きると思います。子どもにもっと向き合ってやりたいという思いを抱きながら、仕事に精力を傾けざるを得ないお母さんたち。

 そんな無理を重ねていたら、寅ちゃんがそうであったように、いつか、破綻する日が来るのかもしれません。

 あるいは、子どもがうまく成長して、頑張る母親を許す日が来るご家庭もあるでしょう。

 

 モデルとなった三淵さんが一番悩んだ、人生の最難問だったのではなかったかと拝察しました。

 同じ時間を共有したから、良い親子関係ができるとはかぎりません。そうであることは、自分が証人です。

 それでも、ドラマにあったような齟齬は、淋しさから発生することは昔から云われていることです。

 

 確かに、女性の社会進出はこれからも止まることはないでしょう。だったら余計に、子育て期間をみんなで考えて、せめて、就学年齢までは安心して子どもの側に居られる制度を作ってあげていただけないでしょうか。

 

 けさの寅ちゃんの「今、この子と別れたらとりかえしがつかないことになる」という発言。それは、昭和だからではないのです。子どもを育てるということは、そういうことなのだと心から共感しました。

 側にいて、お互いを感じながら生きる。それが、何より大切と思っています。

 時代を問わず、女性を使い倒すのがこの世の常ですが、どうか、子育て期間くらいはゆっくりさせてあげてください。というのが私の老婆心です。

 

  

 付け足しですが、ドラマに登場した「家族会議」。懐かしいことでした。

 昭和三十年代。戦勝国アメリカ主義が蔓延った時代です。これぞ民主主義とばかりに、小学校の先生から「今日、家に帰ったら“家族会議”を開くように」とお達しがありました。

 家に帰って、こんな宿題が出たと母に伝えましたが、無視されてしまいました。

 我が家では山の神の力が甚大で、民主主義は通用しなかったわけです。

 ドラマのあのシーンは、そんなことやこんなことを思い出させてくれました。