
きのうの『光る君へ』は、ご覧になりましたでしょうか。
いつかの『光る君へ』のファンミーティングで、吉高由里子さんに対してアナウンサーが、
「柄本佑さんになにかメッセージありますか?」
と訊ねた答えは、
「演技力おくれ~」
でした。
その時は、えっ?そんなぁ。柄本佑さんって演技してないみたいに見えるけど・・
でも、それが彼だけが持ってる演技力だったのですね。昨日の演技で吉高由里子さんの仰ってる意味が分かりました。確かに演技なさってました。顔を歪めたり、足を止めたりと。
大河の主役に選ばれておられるわけが、昨日ばかりはよく分かりました。

ドラマの本編が終わった後、数分間の「光る君へ紀行」がくっついてます。
昨日は、「紫」がテーマで、滋賀県の蒲生野の紫草が取り上げられました。
あかねさす紫野行き標野行き
野守は見ずや君が袖振る
この薬草狩りが行われたのが近江蒲生野です。
根っこから取れる紫色は、聖徳太子の冠位十二階の最高位、大徳に制定された高貴な色です。
でも、現在、紫草は絶滅危惧種に指定されているそうで、植物由来の紫色はますます貴重になりました。
さて、紫色が採れるものがもう一つありまして、それが貝です。
巻き貝のアカニシ貝の内蔵(パープル腺)から色素を抽出する方法は、古代ヨーロッパ時代に発見されました。
紀元前16世紀ごろ、1グラムの染料を得るのに約2000個の貝を必要としたそうです。
それほど貴重な色ですから、高貴な王族だけに許される色となり、それがペルシャからシルクロードを経て中国へ伝わってきました。
もちろん、中国でも最高位に位置付けられる色となったのです。
この取り出し方を忠実に再現している工房が宮崎県綾町にあります。
かつて、美しい紫色のストールは美智子妃殿下にも献上されたということです。
紫に限らず、日本各地には、古代の織り物の再現に取り組む方がおられます。それは、頭が下がるほど地味なお仕事でありながら、没頭すると宇宙が見透かせるほどやりがいのあるお仕事にちがいありません。
好きな何かに出会うことは、幸せに出会ったと同じ意味を持つからです。

もう一つの『光る君へ』の魅力は、美しい料紙と仮名文字がこれでもかというほど画面に映し出されることです。仮名文字が好きな私としては、ワクワクして、そこで止めて!と叫びながら見ています。
道長が権力に任せて集めた料紙に、三蹟の一人、藤原行成の手で書かれた『源氏物語』。見てみたかった。
といっても、見るだけで、その仮名文字が読めるわけではなくて情けないことです。
それでも、流れる文字列は絵を見てるようで感動させられます。
だから、昔のマイ蔵書『くずし字練習帳』を引っ張り出してきて見返したりしています。
好きなことがいっぱい有りすぎるのか、惚れっぽいのか。
こういう人はその道で大成できない見本です。