こころあそびの記

日常に小さな感動を

生涯を照らす言葉

 

 先週のBS『こころ旅』は、先々週の柄本明さんから引き継いで、田中要次さんが山梨県を走られました。

 今日、録画分をゆっくり拝見しましたら、最初に出た言葉が「(富士山は)何回見ても写真撮りたくなっちゃう」というものだったので、のっけから同感!と自分の撮った富士山を探したことです。

 何回見ても、どこから見ても、更にどの季節であろうと感動的に美しい山が、この国の象徴として聳えてくれていることは多分、奇跡に数えても許されることだと思います。

 

 

 元、鉄道マンでいらした田中要次さんらしい、硬い誠実なお人柄を楽しく拝見しました。

 というのは、娘婿が現役のJR社員なので、その共通項がよくわかるのです。

 娘が彼と結婚することになったときだったか、若い同僚から「硬派ですね」という感想を聞いたことがありました。

 鉄道マンは硬いレールの如し。

 そうでなきゃ、あの分刻みの責任ある仕事は果たせません。

 録画に、田中要次さんもご存知なかったという、珍しい踏み切りが登場しました。それは、通行する度に手動で踏み切り棒を上げて通る無人踏切でした。これは、スタッフの企みぽかったですけれど、代役鉄道マンへのエールのようでもありました。

 

 

 お手紙の主は70歳の男性からのものでした。

 写生をしていたとき、先生からかけられた言葉が私の人生を支えてくれました、というものでした。

 「眞人君は絵が上手だね~」

 それまで、特に得意なものもなかったお手紙の主は、この一言で絵を描くのが大好きになったそうです。しかも、先生の言葉通り、絵画展で特選に選ばれることに。

 お手紙に添えられた水彩画は、「桂川神社」の社殿が色鮮やかに描かれていました。

 

 先生の言葉は生徒の遥かなる道を照らすものであってほしい。

 そういう意味で、この先生は最高のお仕事をされました。

 かく言う私も小学校のときの先生のひとことが忘れられない一人です。「君はほんとうはいい子なんだよ」と。

 「とっとちゃん」で有名になった言葉でしたが、そんなこと子どもの私は知りませんでした。真に受けて、心底励まされたことが、今も胸中から消えることはありません。