こころあそびの記

日常に小さな感動を

立冬とお餅

 

 今日は「立冬」です。友人から送られてきたカードのデザインを見るだけで、冬の寒さが身にしみます。

 きのうの夕方ニュースで富士山の静岡県側で降雪が観測されたと報じていました。しかし、これは初冠雪にはならないそうで、富士山の初冠雪として記録されるのは、山梨県側から見てのことだとか。そんな人間の浅はかさをあざ笑って、お山のてっぺんにおられる神様がいたずらなさったのでしょうか。

 

 

 中国北東部の寒さは半端ではありませんから、立冬の日も餃子を召し上がる風習があります。

 蒸し器から立ち上る湯気が恋しい季節です。

 

 

 今日は、亥の月(11月)の第1番目の亥の日です。

 茶道では夏場の風炉あらため、炉を開く日とされます。亥は方角は北。北は水だから、火難を免れるために、亥の日に設定されているそうです。

 大衆の縁担ぎに、十干十二支など五行が入り込んでいるのを知るのも楽しいことです。

 

 

 また、季節の和菓子にも取り入れられています。

 亥の月、亥の日、亥の時刻(9~11時)に食べて、猪の子だくさんにならって子孫繁栄、無病息災を願うのが「亥の子餅」です。

 かの『源氏物語』第九帖「葵」に登場するお餅ですから、紫式部も食べたかな。そんなことを思うにつけ、今年はどうしても外せない気持ちになりました。

 残っているかなと心配しながら、仕事帰りにいつものお店に寄ってケースを覗き込んだら、ありました!

 若者たちは夜食にどうぞ。年寄りは亥の刻まで待てませんので、さっさと食べて、お先に休ませてもらいます。みんなの無病息災を祈願して。