こころあそびの記

日常に小さな感動を

千里公園の朝

 

 9時過ぎには、朝雲が消えて真っ青な空が広がりました。

 犬を飼っておられる方ならわかっっていただけるかと思いますが、晴れた日は洗面所に立った瞬間に、わんこまでそわそわし出すのは面白いほどです。

 今日も二つのまん丸目玉を柵から突き出して、早く行こうとせがむ表情に負けて、千里まで一緒に出かけました。

 

 

 鈴なりの赤い実は、双眼鏡を覗くとどうやら「モッコク」のようでした。

 写真を撮っていたら、朝のお散歩中の女性に声をかけられました。

 取り留めのない話の中で彼女が一番喜んでくれたのは、夜明け前の星空のことでした。

 元来、星がお好きだったようで、星を見ていると自然と一体になれる気がします、と嬉しいひと言をいただきました。

 わかる人と出会えて、心晴天になれたことです。

 

 

 緑道沿いに植わった木にぎっしりと実がなっています。冬が来る前に、与えられた仕事を全うしている様子を美しく思いました。

 

 

 こんな案内板を見つけました。

 大発見!

 千里丘陵に降った雨水は南側の吹田に湧いてくると書いてあります。

 しかも、万葉歌の「石走る垂水の上の早蕨の萌えいづる春になりにけるかも」(志貴皇子作)の「垂水」が吹田に由来していたとは、知りませんでした。

 そういえば、吹田には「アサヒビール」の工場がありましたっけ。そのお水は千里のお水だっただなんて。

 犬も歩けば棒に当たる、ならぬ発見があるものですね。

 

 

 今日は大発見の日でした。

 この石のモニュメント。名前は「あほんだら獅子」なんだそうです。

 

 

 1970年の大阪万博の開催に合わせて、それまで竹林だった千里丘陵が大開発されることになりました。

 しかしながら、大阪からは北東の鬼門ということで、当時は飛びつく人も少なかったと聞いています。

 その印しがこんな形で残っていたなんて。なんとか鬼を追い払おうとしていたのですね。

 

 

 大木の梢に赤い色が遠目に鮮やかでしたので近づきましたら、アキニレの実でした。

 

 近くの池の野鳥観察小屋の周りに男性が数人、鴨たちのお出ましを待っておられました。

 「もう帰ってきましたか?」と尋ねたら、

 「ああ、帰ってるよ。今は、葉陰に隠れてるから見えないけどね~」と、応えて下さいました。

 

 いよいよ楽しみな季節がやって来る。そんな、ちょっと先の心ときめく予感があれば、健やかに過ごせそうに思えます。