こころあそびの記

日常に小さな感動を

芙蓉

 

 山茶花が咲いたら、いち早く駆けつけるのはカナブンだとか。獲物は見逃さない。生きるための能力です。

 

 

 琵琶の花芽が膨らんできました。次に来るときには香っているかな?

 

 

 斜め四十五度の朝の光で、紅葉がより一層赤く映えて見えました。

 

 

 昨日の授業で、「芙蓉の冠」と出てきたので、芙蓉つながりで、高橋睦郎さんの「季語百話」という本の“芙蓉”の項を読んでいたら、中国では日本でいう芙蓉は「蓮」のことと書いてありました。

 中国では、芙蓉を木芙蓉と呼ぶそうです。

 高橋さんがおっしゃるには、こういう混乱は中国から借りた文字を日本の文化に合わせようとしたところから起こったそうです。

 そんなことを大形先生に質問したら、うんとたくさんの資料が送られてきて、未だ、読めていません。

 ただひとつ分かったことは、「芙」は大きな男の人で「蓉」は中央が窪んだ器のこと。芙蓉の花の形からの命名だったのです。

 花の名前の語源を辿るのも楽しいことです。

 ちなみに、参考図書は『植物の漢字語源辞典』です。

 

 

 今日は植物三昧の日でした。

 実は、我が家の樹齢六十年の桜が、このままでは寿命を終える日もそう遠くないと思って気になっていました。

 そこで、思い切って植木屋さんに診断してもらいました。

 予想通りのお答えに辛くはなりましたが、ここで手当てすれば、まだ何年かは生きられると聞き、早速にお願いしたことです。

 有名な古木の桜がニュースになりますが、あれは染井吉野ではないから千年も生きられるそうです。染井吉野の寿命は六十年。倒れそうに踏ん張る樹形に、もっと早くに手術してあげられなくてごめんねと詫びました。

 

 

 ゆめにみし人のおとろへ芙蓉咲く

             万太郎

 

 年とともに夢を見る回数は減るものなのでしょうか。魂が浮遊する元気がなくなったからなのか、近頃夢を見ない私です。