「今朝、布団干してるとき、眩し!と思って空を見たら、こんなきれいな太陽やった」と、娘からメールがきました。
仕事が終わって、どれどれと空を見上げましたが見えるはずもありません。
一期一会の天然現象、彩雲。
お空の神様ありがとうございます。
窪田空穂さんの本を返却するため、野畑図書館に寄ったら入り口にこんなディスプレーを見つけて、うれしくなりました。
「天高く馬肥ゆる・・」は過ぎにけり。ではありますが「最近空を見上げていますか」のフレーズに、ときめきを感じました。ここのスタッフさんのセンスの良さがしのばれる一文でした。
ディスプレーの柵の中にあった『星三百六十五夜』(野尻抱影著)を借りてきました。明治18年生まれで、すでにお星様に帰られた星の虜のお話しが詰まっています。
天空の星々は今も昔も輝き続けていますが、見上げる人の教養が、その輝きをより深くしてくれるのは言わずもがなです。この本には、そんなことを期待させる何かがあると直感したのです。
帰宅後、BSで『秋刀魚の味』が放映されていました。
笠智衆、岡田茉莉子、佐田啓二、岩下志麻。お名前がすらすらと書けてしまうのは、一緒に昭和を生きた証です。
その上、箪笥の形、足踏みミシン、姿見、大きな白襟、腕時計。
私が10歳のころの映画には、懐かしさが詰まっていました。
映画が終わったので、消そうとしたのですが、なんと次の番組『最後の講義』が岩下志麻さんだというではありませんか。
ミーハーの私が見逃す手はないと、また最後まで見てしまいました。
『秋刀魚の味』が岩下志麻さんの映画デビュー作とは知りませんでした。
あるシーンの演技に悩んだとき、小津安二郎監督から「悲しいときに悲しい顔をするほど、人間は単純なものじゃない」と云われたことで、医者の道を諦めて映画界に入ることを決心されたのではなかろうかと推測しました。
精神科医になるつもりでいた彼女は、演技の中にも、いろんな心の動きがあるではないかと思ったといいます。
賢い人だったこと。夫、篠田正浩を心から愛したこと。そして運があったこと。
だから、女優を続けられたと話していました。
「運」とは、人間力を養い、どこまでも自分を高める努力をすることで引き寄せられるもの、とも仰っていました。
いい午後を過ごせたことに感謝です。