大学に聴講に行く日です。
千里から“シンミ”に入ると、午後の日を浴びて黄金色に輝いている銀杏が、側道沿いに続いていることに気がつきました。
緑色の葉っぱもいいけど、やっぱり黄色に染まったところは秋の代表です。その時、そうだ、ここは御堂筋だったと思いついたのです。
1970年万博の時に市内から延長され、陸の孤島だった千里を生まれ変わらせた道です。
だから、御堂筋のシンボルである銀杏が植えられていることを、いまさらというか、ようやく気付いたことでした。
千里山にある大学校内の木々が紅葉の最終盤を迎えています。
メタセコイアの大きな木の側を通りかかったら、二人のお嬢さんが屈んで楽しそうになにかしている様子です。
まぁ、落ち葉を集めて、ハートマークを作っていただなんて。可愛すぎて思わず、「写真撮ってもいい?」と声をかけずにはおれませんでした。
聞けば、大学三年生。これから就活が始まるのだとか。それも時代ではありますが、できることなら永久就職をと願いたいのは老婆心です。
彼女たちなら良妻になるにちがいないと太鼓判を押せます。
若い人を見ていると、自分はその頃、何をしていただろうと考えてしまいます。
毎日、家から逃げ出すことだけで頭がいっぱいでした。特段の目的もない日々だったことを、もったいないことしたとか、悔いるとか、そんな気持ちさえありません。
他人とは違う人生だと達観しているところがある反面で、幼さも人一倍残っているというのは不思議なことでした。
流れるように生きてしまいましたので、目的を達成したという経験がありません。
だから、若い人には明確に目的を持って、それを成し遂げる経験をしてほしいと念じています。
ただし、自分の空白を他人に埋めさせようなどという気はまったくないことだけは付け足して。