見納めの紅葉図鑑をどうぞ。
黄葉も。
イチョウ葉も。
さて、今朝、テレビの前に座ったら、「伊藤瑞子さん」というお医者さんがお話しなさっていました。
しばらく聞いていたら、この方は歌手、MISIAさんのお母様だとわかりました。
離島、対馬でお医者さんをしながら子育てされたなんて、それだけで見上げる存在です。
耳に残った言葉は、「上の子どもには、“勉強しておけば、なりたいものが見つかったとき、なれる” だから勉強しておきなさいと、育ててしまいました。でも、上の子どもたちと年の離れた次女(MISIA)は、ゆったりと見守れた気がします」。
私にも覚えがある言葉でした。
上の子には厳しく、下にいくほど甘くなるのは、どこの親にも共通したところなのではないでしょうか。
特に、下の子が女の子なら、かわいければそれで十分と。
MISIAさんは、幼いころから歌うことが大好きだったようです。
それを見逃すことなく、反対するでもなく伸ばしてあげたから、国民的大歌手が生まれました。それは、ご両親の愛の力にほかなりません。
かように、わが子の特性を見抜くことは、親の最大の仕事だと思っています。
その仕事を見事に完璧になさったお一人が辻井いつ子さんであることに、異議を唱える方はおられないことでしょう。
このところ、辻井伸行さんの演奏を聴き続けています。一回聴き始めると止められなくなるのです。といっても、高価なステレオがあるわけでもなく、YouTubeで聴いているのですが、皆様のコメントを読めるのが、この便利な機能のよいところです。
圧倒的に多いのが、「聴いていると涙が出る」です。そんな聴衆の一人でいることに、また酔えるのです。
MISIAさんのお母様が子どもの才能の邪魔をなさらなかったと同じように、子どもを信じることに自分のいのちのすべてをかけたお母様が辻井いつ子さんでありましょう。
お二人に共通することは、愛の達人であるところと推測します。
私がいつも劣等感に苛まれるのは、持てる愛が質、量ともに少なくて薄情なことを自覚するときです。
それに比べて、お二人の愛の豊さはどうでしょう。
「もしも、一度だけ目が見えるとしたら何が見たいですか?」
かつて、こんな残酷な質問を浴びせた人がありました。
「お母さんの顔が見たい」。
この言葉で私たちの心はどれほど震えたことでしょう。また、一方で、お母様の愛情が見えた思いがしたものです。
今や、世界中から演奏依頼が目白押しの彼ですが、完璧な演奏ができるのは孤独な努力なしには成し得ません。
などなど、彼については思うことがいっぱいありすぎます。まだ、三十代。これからもっともっと深い音が奏でられることでしょう。
彼が神様に選ばれて結んだ契約は、荒んだこの世を清々しい響きで清めてほしいということなのかもしれません。だから、みんな泣いてしまうのです。