こころあそびの記

日常に小さな感動を

春隣

 

 ここ箕面ではこの程度の降雪でしたが、テレビの中継を見ると青森では記録的な積雪になって生活にも支障が出始めているようです。

 先に降った雪を「友待つ雪」、しばらくしてあとから降ってくる雪のことを「雪の友」という表現もあるそうですが、休みなしに夜間に深々と積もる雪に対して生活者はどのように対処されているのでしょう。

 彼の地の語り草となっている豪雪年のことを語り合ったりして過ごしておられるのでしょうか。

 テレビの取材クルーの声がなければ、多分、雪の吸音作用が働いてあたりは限りなく静かなはずです。

 雪の日の静けさに憧れる都会人の私は、今日あたり『雪』(三好達治作)そのものの世界だろうと察します。

 大阪人の三好達治ですから、見たこともない銀世界に遭遇して、音がないことに驚いたことが想像できます。

 

 

 さて、報道では、スキー客が巻き込まれる事故が多発していると伝えています。その中には、訪日客もいるとか。

 こんなにたくさんの雪を見ることは外国人には経験のないことだけに、注意が必要です。

 日本はそれだけ地形的に特殊な降雪条件を揃えた国ということです。

 この時期、北西に寒気団、南東に暖気団。それから、日本海という水蒸気のたまり場。その全てが調えられて、雨か雪が降ります。身長の高さあたりの気温が0度以下なら雪、7度以上なら雨だそうです。

 それから、日本の雪は他国の人には経験のない、湿った重い雪ですから、雪崩に埋まったら、脱出は不可能。どうぞ、今年の雪にはくれぐれもお気をつけて。

 

 

 1ヶ月遅れの開花を待つ花々。今は、その日を待ってぐっと我慢の様子です。

 

 関大図書館で借りた『窪田空穂歌集』の返却日が迫ってきましたので、朝から読んでいます。

 雪のことを読んだ歌がないかと探したのですが、見当たりません。彼の歌は、生き方に焦点を当てたものが大半です。

 そうなんです。よくよく考えるに私もそこにしか興味がないのです。

 もしも、もっと薬に関心があったらとか、漢字研究に取り組んでいたらとか、道は違った方向にあったはずですのに、なぜか、そういうことに興味が持てなかったのです。

 だからといって、生き方を探求するでもない。つまりは、なにもできない凡人だったと笑えます。

 

 基。窪田空穂は、生き方を書き留めた歌人だと思います。

 そんな歌は何の役にも立たない。そう思う人にはそうなんですが、私みたいな人間には共感できるところもあって、面白いのです。

 

 生命とはわが物なりやわが生命

 わが物ならずと身をもちて知る

 

 目はおぼろ耳は疎くて意を汲めぬ

 老としなれど息ありて生く