
水温む。
親子連れが川に下りて水遊びに興じていた昨日の昼下がり。マガモたちも久しぶりの水浴びを楽しんでいました。
バタバタと大きな水音を立てて勢いよく羽根を広げるのは一羽ではありません。写真に写るマガモもコガモもみんなが順番にやってくれます。そして、こんな時しか目にできない青緑色の風切り羽を惜しげもなく見せてくれたことに感動。なかなかお目にかかれない光景ですから、その場を離れがたい思いになったひとときでした。

川の中ばかり見ながら歩いていましたのに、ふと振り返ると梅が満開でした。この香りに振り向かされたのは私だけではありません。いい匂いに誘われて集まっていたのはメジロの一団です。
枝が揺れるところを狙って双眼鏡を向けますが、隠れ上手な彼らは花影にうまく同化するんです。あのウグイス色だからかもしれません。

帰り道、道端のローズマリーでお食事中のメジロのつがいを見つけました。メジロは、こんな洋花の実も食べるとは、新しい発見でした。

いつか、堀美智子さんが「薬剤師という仕事は、その年齢の経験が生きるから一生仕事」とおっしゃってたことを思い出します。
薬剤師という仕事だけでなく、生きてきた軌跡そのものが、今日を生かしていることをつくづく感じます。
『窪田空穂歌集』をそろそろ返却しようと、朝から目を通したから、余計にその思いが深くなっています。
たのしきもはた苦しきも過ぎぬれば
夢にことならず無思惟に生きよ
こんな歌を読んで感じることも、血気盛んなときと、今の私では違うことでしょう。それは、この歌が詠まれた年齢に近づいたからこそ分かるというものです。
この本の解説を大岡信さんが書かれています。
そこに、
「自己を宇宙との対比に於いてとらえるというきわめて明確な世界観に貫かれている」と、窪田空穂を評しておられます。
文学とは縁のないセンスのない私が、なぜ、彼に惹かれるのか、その答えが腑に落ちたことです。