こころあそびの記

日常に小さな感動を

青写真

 

 孫の不合格通知に複雑な気持ちに陥ってる私です。不器用な質ですから顔に出てしまうことを指摘されるだけで、身の置き場に困る毎日です。

 今日、仕事から帰って娘と話すことができて、少し心が軽くなった気がします。

 「泣いた?」と訊くと、

 「いや、それが全然」と、応えます。

 「ちゃんと合格した時、泣ける気がする」という心の強い娘です。

 私なんか、そんな健気な娘を見てるだけで泣きそうなのに。

 

 

 昔々、哲学がブームになった時のベストセラー本に「人は、生まれる前に今世の青写真を描くが、産道を通るときにすべて忘れるようにできている」と、書いてありました。

 それを読んだときから、人生の道程は前世の自分が決めているのだから心配は無用とわかっているのですが、今、目の前に現れる現象に一喜一憂してしまうのは、凡人ですから仕方がありません。

 

 

 ところで、人生には道しるべとなってくださる方がピンポイントで現れることがあります。

 そんな話をしていたところ、「私も」と娘が話してくれたのは、自分の大学受験の時のことです。

 実技を失敗して絶体絶命と感じた娘が「もう、帰るわ」と、前に座っていた受験生に弱音を吐露したら、その子が「書くだけ書いて帰り」と言ってくれたとか。

 仕方なしに残って、試験問題を見たら、なんと高校で見た『天声人語』だったそうです。嬉しくなって、最後のマス目に句読点の「。」を打つところまで書けて無事合格を掴み取ったのです。

 この時、前に座ってた彼女も娘の道標だったのでしょう。一期一会であっても、その方が守護神からの依頼を受けて助けに来て下さった。そう思うと心が温まります。

 

 

 孫には、今の時点だけ見つめると誠に厳しい結果ですが、いつか落ち着いたら、これも計画通りと受け止められる男に成長して欲しいです。

 人は、自分が通った道しか理解ができないと思います。でこぼこ道や曲がりくねった道を歩かなければ実力は養えません。

 この経験が成長の糧となるよう静かに祈っています。