
昨日の続き。
大阪公立大学附属植物園内でカタクリが咲く場所は数カ所あります。
一番奥の桂の木が植わっている場所のカタクリの花を見ていたときのことです。
文学に疎い私ですのに、なぜか花々を眺めながらカタクリの古語である「堅香子」が、柄にもなく思い浮かびました。大伴家持が越前国守として富山の高岡に赴任しているときに詠んだ歌に出てくる花の名前という程度の記憶です。
そうしたら、隣で見ていた男性がすかさず、「今、“堅香子の花”と聞こえたけど、もと歌はどんなだったかな?」
と訊いてこられたので、慌ててスマホで検索して読み上げました。
「もののふの八十娘子らが汲み乱ふ
寺井の上の堅香子の花」
彼は、熊本出身の御年82歳です。さすがは第五高等学校の土地出身者だけあって博学で、この歌の解説やら、家持がいかに天才であったかという話をして下さいました。

話が弾んで、なんと「いろは歌」を哀愁ある音階に乗せて歌い出されたのには、友人も私もびっくりしてしまいました。
「よく覚えておられますね」
「これは、姉の通っていた学校の音楽の先生が作曲されたものです。姉が歌っていたから、自然に覚えました」
その高校は尚絅(しょうけい)高校というふうに聞こえたので、先程、電話してみたのですが、受付の若い女性は聞いたことないとのお返事で、話がつながらなくて残念でした。
でも、ほんとうに戦前の日本唱歌というふうな落ち着いた旋律でした。友人が証人です。もし、ご存じの方がございましたら、是非、楽譜を拝借したいと存じます。

家持といい、空海といい、名を残す人は天才であったと話し合ったことです。
そうこうするうちに、今度は、
「手相を見てあげようか」
と、言い出されてびっくり仰天。
「昔、社員研修をやっていた時、まだ若くて、鑑定した通りのことを言ってしまって、上司に叱られたことがある」
そうなんです。四柱推命でもなんでも、鑑定通りにそのまま言うのは素人です。鑑定結果をどのように相談者に伝えるかが、鑑定者の腕の見せどころといわれます。
そんな失敗談まで披露してくださったりして、楽しい時間をご一緒しました。
実は、彼は熊本の老舗時計屋さんのご子息だったようです。もし、熊本に足を運ぶ予定がおありでしたら、是非、お~い、時計屋さん!と探してみて下さい。
話の宝箱に入り切らないほどのネタを詰めて待っておられると思います。
どうぞ、お元気で居てください。また、どこかでお目にかかって、お話の続きを拝聴したく存じます。