こころあそびの記

日常に小さな感動を

内緒

 

 このあいだ、四天王寺に行った日、「第22回四天王寺大古書祭」が開かれていました。この日を楽しみにしているファンも、冷やかしの人も集まってきての盛況は、本好きにはうれしいものでした。

 人に自慢できるくらいには読まないくせに、私の生活に欠かせないアイテムであることは確かで、これがないとどれほどさびしい思いがすることかと思ってしまいます。

 

 

 出掛けにアーカイブスで観た星野富弘さんの絵本があったら絶対に買いたかったのですが、出会えなくて残念でした。

 それでも、出会うべくして出会う本はあちらから声掛けしてくるというのは、お洋服を選ぶ時と同じです。

 目に留ったのは『仏像〜心とかたち』でした。

 帰ってきて梅原猛さんの文章を読んでいたら、うれしい知識を得られたので、やはり今回はこの本だったのですね。

 「文献的に見て、日本において薬師如来に関する記事が出始めるのは天武天皇の頃からである」

 「現在ある薬師如来像で様式的に見て最古のものといえば、法輪寺金堂の本尊像をあげるべきであろう」

 ですって。こないだ、見てきたばかりの思いのほか小さな薬師如来像が、写真とともに掲出されていたことに感激したことです。

 じつは、その時手にした「ようこそ奈良へ」というパンフレットを見て、法輪寺で開かれる法話会に応募したところ、当選!来月、拝聴するために、再訪することになっているのです。

 その予備知識を、巡り合った古本から得ることになるなんて。ほんと。この世はぐるぐる回ってることを実感します。

 

 

 と、ここまで書いてたら、雨が音をたてて降り出しました。

 良かった。

 私、今朝一番で梅田へ行ってきたんです。孫娘が、白浜行の電車の中で食べたシナモンロールが美味しかったらしく、どうしても買ってきて欲しいと云うので、買い出しに行ってきたというわけです。恥ずかしいですね。孫の”パシリ“だなんて。

 でも、自分の用事も兼ねていたのでご心配なく。大阪駅構内のお弁当やさんの巻きずしが欲しかったので、朝から予約電話しておいたなんて、誰にも言えません。

 そのために、遠回りして川西池田からJRで行ったなんて、口が裂けても言えない秘密です。

 

 絶対の正などないという難解なお話に終始する荘子も、「天上大風」がこころを表してる良寛さんも、私のこんな愚行を許してくれそうに思うから、どちらにも憧れが止みません。