こころあそびの記

日常に小さな感動を

立杭の里

 

 夜露が、上る朝日に浄化されてきらきら光る美しい朝でした。誰も起きてこない静かな庭を独り占めして、清らかな光を満喫したことです。

 

 

 今日は二十四節気の「立夏」です。

 新緑を求めて立杭の里に行ってみることにしました。

 いつも云うように、JR宝塚線の三田以北の車窓から見える景色が好きです。田植えが終わった水田に真っ青な空が映る様は、早苗の今しか見られません。それを見ようという目論見もあって、出発しました。

 

 

 今日は、立杭一帯で「春ものがたり」と銘打ったイベントが開催されていましたので、いつも静かな里は大賑わいでした。

 里の中央にある”のぼり窯“では、地元のボランティアの方々が待機されて、来訪者を案内されていました。

 その方たちを悩ませようと思ったわけではないのですが、ふと見上げると「神様」が祀られているのに気づいてしまったのです。

 

 

 「あれは、何の神様ですか?」

 「さぁ?気が付かんかったわ」

 そこへ、長老が通りかかられたのでみんなして質問しましたところ、

 「宝塚にある···」

 「あっ!清荒神ですか?」

 「そうそう。それと同じ火の神様や」

 納得。

 5月末の火入れは、一般の方々も見学できるので、ぜひ来て下さいとお誘いを受けました。ご一緒しませんか。

 

 

 窯元さんのお宅の庭先にいらっしゃる神様。

 他にも、あちらこちらに神様が。

 

 

 そして、住吉神社

 この村の静謐さはこれら神々の守護の賜物ではないでしょうか。

 

 

 里を囲む山々の新緑が眩しいほど照り輝いて、眼裏に染み込みます。来た甲斐があったと思いました。

 小川にツバメが飛び交い、ひばりが鳴き交わす。そのメルヘンの中に居るだけで幸せでした。

 

 

 お土産にと、コーヒーカップを一つだけ選んで会計に持っていったら、たまたま居られたのが窯元の奥様でした。

 この立杭の最高齢(二番目)の現役作陶家です。

 私が差し出したカップの裏まで点検されたところ、そこに傷を見つけられました。

 「いいのに代えてもいいけど、漏れるわけじゃないので、もし良かったら700円にしておきますよ。うちなんかは、こんなのばっかり使ってるの(笑)」

 いいお買い物させていただきました。

 どうしたことか、こういう代物が長く割れなかったりするものです。そんなときは、よほどのご縁があったというべきなのでしょうか。