
夜露が、上る朝日に浄化されてきらきら光る美しい朝でした。誰も起きてこない静かな庭を独り占めして、清らかな光を満喫したことです。

新緑を求めて立杭の里に行ってみることにしました。
いつも云うように、JR宝塚線の三田以北の車窓から見える景色が好きです。田植えが終わった水田に真っ青な空が映る様は、早苗の今しか見られません。それを見ようという目論見もあって、出発しました。

今日は、立杭一帯で「春ものがたり」と銘打ったイベントが開催されていましたので、いつも静かな里は大賑わいでした。
里の中央にある”のぼり窯“では、地元のボランティアの方々が待機されて、来訪者を案内されていました。
その方たちを悩ませようと思ったわけではないのですが、ふと見上げると「神様」が祀られているのに気づいてしまったのです。

「あれは、何の神様ですか?」
「さぁ?気が付かんかったわ」
そこへ、長老が通りかかられたのでみんなして質問しましたところ、
「宝塚にある···」
「あっ!清荒神ですか?」
「そうそう。それと同じ火の神様や」
納得。
5月末の火入れは、一般の方々も見学できるので、ぜひ来て下さいとお誘いを受けました。ご一緒しませんか。

窯元さんのお宅の庭先にいらっしゃる神様。
他にも、あちらこちらに神様が。

そして、住吉神社。
この村の静謐さはこれら神々の守護の賜物ではないでしょうか。

里を囲む山々の新緑が眩しいほど照り輝いて、眼裏に染み込みます。来た甲斐があったと思いました。
小川にツバメが飛び交い、ひばりが鳴き交わす。そのメルヘンの中に居るだけで幸せでした。

お土産にと、コーヒーカップを一つだけ選んで会計に持っていったら、たまたま居られたのが窯元の奥様でした。
この立杭の最高齢(二番目)の現役作陶家です。
私が差し出したカップの裏まで点検されたところ、そこに傷を見つけられました。
「いいのに代えてもいいけど、漏れるわけじゃないので、もし良かったら700円にしておきますよ。うちなんかは、こんなのばっかり使ってるの(笑)」
いいお買い物させていただきました。
どうしたことか、こういう代物が長く割れなかったりするものです。そんなときは、よほどのご縁があったというべきなのでしょうか。