こころあそびの記

日常に小さな感動を

水仙の香り

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 水仙の季節になりました。
 あちこちの水仙郷でも春風に目を覚ました花たちが、いつもの年と同じように咲いている情景が彷彿とします。
 人が来ないからサボりましょうはないのが花たちの信条です。自然の中で生きるすべての生物は太陽の循環に従っているのですから、当たり前の春を謳歌しているだけです。
 嗅覚から入った匂いは直接脳を刺激して、春が来たことを伝えます。まだ、あたりに春色が溢れる前の静かな目覚まし方です。自然界の伝言ゲームは考案者不明のままで際限なく繰り返されます。でも、このシステムの完璧さを見れば考案者はあの方であることは推測できますが。
 マスク生活で鈍麻する私たちの嗅覚に比して、最近また犬の嗅覚が活躍の場を広げていると知りました。
 捜索や麻薬発見などの働きは知られたところですが、COVID-19感染患者の発する臭いも感知するというのです。しかも、その正答率が完璧に近いそうです。。
 犬に限らず、人が持ち合わせない感覚が生命の助け合いに寄与しています。
 動物、魚、鳥、虫、細菌。それぞれが特別な能力をもって存在していることを知ることは、共生の意味を再認識することに役立つでしょう。
 COVID-19の出現だって、悪者扱いする報道の方にどっぷり浸からずに、一億歳以上の先輩が伝えようとしていることに対して聞く耳を持てば心構えのあり方も変わろうというものです。
 人間たちが慌てふためく様子を見ながら、何でも出来るという驕りを戒めようとしているのかもしれません。
 人間はいつの間にか“畏れ”を忘れてしまった。と言った人がいます。自然に謙虚になることを思い出して前に進みましょう。
 マスクを外して胸一杯に水仙の香りを嗅げる日が来ますように。