”辞める”と決心したのは勤めていた職場であって、仕事はもうしばらく続けたいと思っていました。
そのときから、おばあさんの就活が始まりました。
いわゆる、「仕事探しは~♪」というネット就活は、ことごとく年齢制限にひっかかって撃沈!
厳しいかなとめげそうになったとき、電話の向こうでひとりのお嬢さんが「申し上げにくいですが、ご年齢から考えて、ウチよりもハローワークか貼り紙のほうが可能性はあると思います」と優しくアドバイスをくださったのです。
それならとハローワークに足を運んだのが今月の始めでした。
そこでも、年齢制限を設けている事業所が多く、”元気なうちは働きましょう“は、かけ声だけの絵空事だと見放された気持ちになりました。
そんな折り、以前の同僚が慰めメールをくれました。
「人は必ず必要とされるところがある」という内容でした。この人は若いのになんと生きた言葉が使えるのだろうと感心しました。
この言葉に押されるように、たった一件、面接してあげると言ってくださる店が見つかりまして、今日、行ってきました。
そうそう、その前に、この年齢で履歴書というものを書かなくてはならず、孫に写真撮影を頼みました。
コピー機から出てきたお婆さんにビックリ!いやだぁ、相手様が気持ちが変わらないうちにと焦って化粧もせずに撮っていたのです。
怖いですね。年齢は隠せない。年齢制限があるのも大いに納得したことでした。こんなお婆さんに薬を貰いたくないですよね。
あらためまして、化粧して撮ってもらった写真を貼り付けて、二十年ぶりの履歴書を送付しました。
面接も含めて、慣れない一連の作業は心ここにあらずで、地に足の付かない時間でした。
そして、めでたく合格!
素直にうれしいです。拾って下さった社長様に感謝です。今までの経験を生かして地域の皆様の健康に寄与できるように努めたいと思っています。
長らく忘れていた合格という感覚。今までの合格は、当たり前に受け取るものでした。しかし、老年の奇跡の合格はへんに嬉しいのです。面映ゆいというか、独りほくそ笑むというか。また一つ、面白い経験をしました。