こんな色も、
こんな色もあります。
どの花見てもきれいです。
花屋さんには、まだ登場しないシクラメンの花。
きのう、『らんまん』のおわりに紹介されたのが、この花でした。
牧野富太郎博士が「かがりびばな(篝火花)」と名付けたんだよ、と。
因みに、春先の妖精、カタクリに似ていますが、全く違う種類だそうです。
シクラメンというと、口ずさみたくなるのが、小椋佳さんの『シクラメンのかほり』です。
白いシクラメンは初めて会った日の純情を。うすべに色の花は、はにかむ君の眩しさを、濃い紫色は、成熟と共に別れるさびしさを歌っています。
それは、花言葉をヒントに作られたと今なら分かります。
当時、小椋佳さんの落ち着きは、他のフォークシンガーとは、一味ちがったものでした。
現実と夢の二刀流でした。
ところで、五裂の花びらが、上に反り返るところを篝火に見立てたのは、牧野富太郎博士かと思いきや、Wikipediaによると、とある貴婦人が「これは篝火のようですね」といったことから名づけられたといいます。
その貴婦人とは、九条武子と云われます。
西本願寺第21代法主であった大谷明如の次女としてお生まれになり、お姉様とともに、仏教婦人会を創設された方だそうです。
後には、京都女子専門学校、今の京都女子大学をつくり、関東大震災後には、築地本願寺の再建にまで取り組まれたといいますから、ただのお姫さまではなかったようです。
我が家は信心深くない家庭でしたが、毎月、仏壇にお寺さんが参ってくださっていました。
何のためにそうするのかを尋ねることなく、父母がしていることを端で見て育ちました。
キリスト教の教会では、讃美歌が歌われるように、仏教にも仏教讃歌なるものがあることを知ったのは、母が近くのお寺から持ち帰った歌集からでした。
毎月の例会では、お寺の奥様がオルガンを弾いて、参加者はそれに合わせて歌うのが恒例だったようです。
布教には歌が強い味方なのですね。
今回、九条武子さんを調べて分かったのが『聖夜』という讃歌が彼女の作詞であるということでした。
1.ほしの夜空の美しさ
たれかは知るや天のなぞ
無数のひとみ輝けば
歓喜になごむわがこころ
2.ガンジス川の真砂より
あまたにおわする仏たち
夜ひるつねにまもらすと
きくに和めるわがこころ
馴染みのある讃美歌のメロディーが浮かんできます。
「月なきみ空に輝く光~♪」
夜はもちろんのこと、明るい昼間にあっても、空には星々が巡っていることは、金子みすゞさんの詩にも歌われています。
そのすべての星が、今この時も見守ってくれていると思うだけで、喜びが満ち、勇気が湧いてきます。
そう考える余裕をなくすほど辛いときもあります。そんな時は、「星に願いを~」です。
みんな救い取ってあげるよと、手を広げている誰かが必ず居てくれると信じられたら、少しだけ荷を降ろせそうに思います。