朝一番で『陰陽師0』を観てきました。
思いつきで席の予約を取ったものの、イマイチのレビューを見てしまったものですから、晴れやかな気分とはまいりませんでした。
それでも、ま、いいか。山﨑 賢人君を観られるだけで良しとしよう。
長い長い予告映像にうんざりしたころ、やっと始まった冒頭の呪文シーンに、淀んだ気持ちは吹っ飛びました。
美しい!
どこに美しさのわけがあるのか分かりました。姿勢が素晴らしくきれいでした。
陰陽師はいつも冷静であることが求められといいます。
なので、今回は、怒り狂った動きは控えて静かに演じるように演出家からいわれたようです。
それだけに、彼の美しさが際立っていました。
恥ずかしながら、こんなとき、ミーハーで良かったと思うのです。そうでなければ、一つ楽しみが減ってしまいますものね。
現在放映中の『光る君へ』の中では、ユースケサンタマリアさんが演じておられる陰陽師。
平安という名前とは裏腹な末法思想に覆われた時代の為政者にとって、欠かすことができなかったのが占いでした。
私たち庶民でさえ、進学、就職、結婚と迷うことばかりです。
ましてや、国を治める人たちに課せられた決断は重かったことでしょう。
大陸では紀元前から甲骨占いがありました。
それが、日本に伝わり、お得意のアレンジ力で日本流陰陽師が誕生したのです。
映画で知ったのは、宮中に陰陽寮があったこと。そこでは、天文、地理、暦、漏刻(時計)などを勉強する学生が切磋琢磨していたそうです。
そんな中で、安倍晴明は抜きん出た能力を認められていました。狐の子どもと噂されたのも、その能力のせいだったのでしょう。
映画では、原作が岡野玲子作の漫画ということもあって、五行から詳細に説明されていました。これなら、若い人にも取っ付きやすいのではないでしょうか。
見える事実と、隠された真実。
事実で出来上がっているように見えるこの世ながら、底の方にある無意識界では、思いが繋がっているということが描かれていました。
染谷将太さんと奈緒さんが演じた思い人同士を例に、この世では結ばれないようでも、阿羅耶識で結ばれた気持ちは解けることなく続いていくと信じることができたら、私たちは少し生きやすくなりそうに思えました。
巷で爽やかな生きざまに見える人というのは、無理やり我を通さなくても、見えない世界で思いが繋がっていることをご存知のお方なのかもしれません。
そんなことを思いながら、山﨑 賢人さんに見とれた二時間でした。
夏休み公開の『キングダム』。絶対観に行くからね。