こころあそびの記

日常に小さな感動を

山査子

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 昨日は、雷鳴が轟き春の訪れが確かなものになりました。
 その寒冷前線がまだ居座っているのか、今朝はマイナス8度(昨日比)と、グッと冷えました。
 それでも、寒い朝ならではの夜明けの美しさは格別で、たなびく雲が黄金に彩られて天上を見ている思いがいたしました。
 早々に家を出て、水月公園まで行ってみました。

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 すっかり緑が濃くなって5月の風を存分に感じられました。
 園内の散策をいつもと違うコースに変えてみたら、「サンザシ」という立て札に行き当たりました。これなのですね。中国の友人から、なぜ日本にはサンザシが売ってないの?カリカリして美味しいのに、と聞いていた「山査子」です。
 もう、花は終わりかけていましたが、バラ科らしいかわいい花が少しだけ残っていました。
 山査子は漢方処方にも使われる生薬です。性味は酸、甘、微温で、食べ過ぎたとき消化を助けてくれます。実は真っ赤でいかにもポリフェノールが詰まっているように見えます。
 中国の友人でも、ドラマでも感心するのは身近な草花を生活に生かすことが普通にできてしまうことです。怪我をしたとき、熱が出たとき、薬店に行くのではなく、山野に出かけて探してきます。
 今の若い人達はさすがにそれはできなくなっておられるとは思いますが・・・
 それは日本の、いや、私の年代でも無理です。草木の見分けができないことはお恥ずかしい限りです。豊かであったことの裏返しかもしれません。
 しかし、せめて、必要なものは天から与えられているということだけは覚えておきたいと思います。
 過日、「アフリカの某地方に生えている木から、紫外線を防いでくれる成分が採れました。その貴重なサンスクリーンをあなたに」というCMが流れていました。
 皆さんはこの商品をお買いになりますか?
 アフリカという強烈な紫外線に晒される人達のために神様が授けられたものを横取りするなんて、なんと浅ましいことでしょう。
 その場所に要るものが、その外の場所に流出することはありがたいようで少し悲しいことでもあります。