こころあそびの記

日常に小さな感動を

「琅琊榜(ろうやぼう)~麒麟の才子、風雲起こす~」弐

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 中国ドラマは見始めると、止められない止まらないになって困りますからお薦めはしません。
 と、人には言いながら、なるだけ避けてはいるのですが、『琅琊榜(ろうやぼう)~麒麟の才子、風雲起こす~』に、観たい、観てはだめ、の葛藤つづきです。
 中国ドラマは、衣装が美しいこと、調度品が豪華なこと、筋立てが複雑なこと、俳優さんに見ほれることなど、興味が尽きません。
 しかも、一作品何十話ですから、長く楽しめるからいいともいえますが、一方では先を知りたくなってついつい制限なくテレビの前に居座ることになりがちです。
 日本のドラマと比べると制作費の歴然とした違いを感じます。それを娘に言うと、韓国ドラマにはまっている彼女も同意、あちらの俳優さんのプロ根性も半端でないとのことでした。
 
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 ところで、『琅琊榜(ろうやぼう)~麒麟の才子、風雲起こす~』(弐)を見ていたら、得体の知れない疫病が流行するところを描いていました。
 時代は南北朝時代、日本の奈良時代です。
 致死率の高い疫病。十歳以下の子供は罹りにくい。城門を閉ざして広げないようにする。特効薬はない。マスクをする。時がくれば治まる。
 2017年放映のドラマといいますが、なんと今のコロナの状況にどこまで似ていることかと驚きをもって観ています。
 放映当時にこのドラマを観た人が、その後に大騒ぎになったコロナをどう思ったのか、少し聞いてみたい気持ちがします。
 漢方薬がふんだんに出てきます。
 1500年前にはすでに多くの生薬を使い、特に、自然界にある恐ろしい毒もその作用を知って使いこなしていたことは興味深いことです。
 結局、名前は明かされなかったのですが、サンザシと思われる赤い実が出てきました。サンザシは中国ではおやつに食べます。食べ過ぎに効く生薬。山査子酒がキッチンパントリーで眠っていることを思い出しました。もったいないけど、お酒に弱いわたしは飲まずじまいです。

 ドラマの中で繰り広げられる人情劇は、今と全く変わりません。裏切り、嫉妬、夫婦愛、不信、権力争い。
 中でも、幼い時に愛されなかったという経験が後に及ぼす恐ろしさは長々と描かれています。親が気付かない程のささいなことでも、子供は見ています。
 子供はとりあえず、三歳までは傍に居て可愛がってあげることだと思います。
 中学生になっても、ボディタッチが大切とおっしゃる精神科医もおられます。撫でて育てればその温かい感覚は終生の宝物になることでしょう。

 最後に、中国の風習を知ることができるのもドラマの魅力です。
 蓬髪といえば、寝起きのようにもじゃもじゃした髪のこと。蓬(ヨモギ)が伸びたときの様子からきているそうです。
 そして、古代の人は、髪の先端を見せないように男も女も結い上げていました。それは、殷の時代には毛先から魂が抜けていくと信じられていたからです。現代人のヘアスタイルを見たら古代人はさぞかし驚くことでしょうね。
 
 この夏、山崎賢人君の『キングダム2遥かなる大地へ』が公開されます。中国ドラマに負けない迫力を期待しているところです。