朝ドラ『チムドンドン』が逆風にさらさているとは聞いていましたが、ついにNHK会長さんまでお詫びされる事態になったようです。
日本の公共放送が、わざわざ頻繁に取り上げる「沖縄」にはそれなりの理由があると考えています。
私もつい最近まで、「沖縄」の放送が戦時中とその後の苦しみばかりを取り上げることに嫌気がさしていました。
しかし、過日、奄美大島に古くから伝わる宗教行事が今も引き継がれている様子をテレビで観たとき、「沖縄」が私の中に近づいた気がしました。
戦争報道ばかりでなく、こういった島の暮らしを教えてくれたら、気が重くなる島のイメージが払拭できるのにと。
沖縄に住めば、病んだ精神が健やかになるといわれます。それは、これだったのです。自然と人の近さです。
霊媒師が神意をよみとることで、自然への敬意を深くするという、宗教の原始の形が残っています。
祈りに始まり祈りで終わる島々。
なぜ「沖縄」を報道し続けるのかという疑問を考えていたとき、横田早紀江さんの言葉が思い浮かびました。
「忘れないでほしい」。
ずっと思いを寄せ続けてほしい。
そのことが、ガードになるなんて思いもしませんでしたが、二度と悲惨な出来事をおこさせない為には、いわゆる「私達が見てますよ!」という気持ちを表すことが必要なのだと気がついたのです。
だから、ストーリーに甘いところがあっても許してあげてほしい。半年で話を完結させるには、ご苦労があるのはわかりきったことです。
ウチナーグチ(沖縄方言)の勉強になると思えば、楽しく観られます。
夏川りみさんの歌う『童神』を聴くたびに、私達がどこから生まれてきて、どんなに愛される存在なのかと心に響きます。
「天(てぃん)からの恵み
受きてぃ此(く)ぬ世界(しけ)に
生まりたる産子(なしぐわ)
我身(わみ)ぬむい 育てぃ
イラヨーヘイ イラヨーホイ
イラヨー 愛(かな)し思産子(うみ
なしぐわ)
泣くなよーや ヘイヨー ヘイヨー」