こころあそびの記

日常に小さな感動を

雨水

 

 本日13時13分に二十四節気「雨水」に入りました。

 「雨水」とは、今まで降った雪が溶けて水となり、今からは雪が雨に変わって降るという意味らしいですが、週末からは寒の戻りが予想される由。

 それに、毎年のように、3月初めに名残雪が舞いますから、これで寒さとお別れとは参りません。防寒は怠りなくいたしましょう。

 と、申しましても、春が近づくという気持ちは、希望を湧かせるものです。なんとなくソワソワするのは、年齢に関係ないようです。

 

 

 「雨水」の初候は「獺魚を祭る」です。

 獺はカワウソのこと。

 カワウソは捕った魚を直ぐに食べず、岸や岩の上に並べておく習性があるそうで、その様子が人間がお供えをして先祖を祭るのに似ているところから、これを「魚を祭る」と言い習わしたようです。

 先日の花梨の会では、「獺祭」というお酒の名前に話が及びました。

 そういえば、安倍総理が来日中のオバマ大統領にプレゼントしたことで有名になったお酒です。

 銘酒「獺祭」は地名の「獺越(おそごえ)」から取ったそうですが、その「獺」はとってつけたものではなく、土地の上流に住んでいた獺からついた地名だと云います。

 区画整理とかで、軽々しく地名変更することは慎むべき場所もあると、いつも思います。

 そこに住んだ先人の気持ちを踏みにじることが無きにしもあらずだからです。

 “獺越”なんて、絶対消して欲しくない地名です。

 

 

 昨日、日本野鳥の会の、北海道からのライブを視聴しました。釧路に近い、鶴居村からの中継映像でした。

 「公益財団鶴居・伊藤サンクチュアリ」という場所に集まってくるたくさんの丹頂鶴を見せてもらいました。

 鶴が居る村で鶴居村

 「伊藤」とついているのは、長年にわたって鶴たちに給餌されてきた伊藤良孝さんの土地をご好意によって、日本野鳥の会が運営しているからだそうです。

 

 

 ロシアや中国北東部に生息する丹頂鶴は冬には少し南の朝鮮半島や中国南部に移動しますが、北海道に居る丹頂鶴は留鳥で移動はしないようです。

 夏場には道内の湿原や水辺に住んでいます。ただ寒くなると、餌場の水が凍って餌が取れなくなります。

 それで、このサンクチュアリでは、餌にありつけなくなった丹頂鶴たちに給餌しています。餌はトウモロコシです。

 雪の上に撒かれた餌を嘴で一粒一粒摘まんで食べます。

 体調140センチ、翼を広げた長さは240センチとでっかい体です。そんな食事量で足りるのかしらと思ったら、体重は8キログラムだとか。重くなったら飛べなくなってしまうと知ってる賢い鳥たちです。

 将来的には、餌やりをしなくても生きていける環境を作ってやって、自然にもどしたいと日本野鳥の会の方は考えておられるようです。

 しかし、丹頂鶴の住まいの一部である釧路湿原も、近頃は開発や土地所有者の変更で、いつまで守ってやれるか不明というあやふやさです。

 学生時代に乗った釧網線から見えた釧路湿原。様子が変わってしまうまでにもう一度乗りたい。そんな夢と思い出がない交ぜになったサンクチュアリの映像でした。