こころあそびの記

日常に小さな感動を

立夏

 

 今日は二十四節気立夏」です。

 いよいよ夏が始まりました。

 今からしばらくは、からっとしたさわやかな日々が続きますが、後半になると徐々に空気が重たくなってきて、梅雨の走りの兆候がみられるようになってきます。

 だからでしょうか、中国の荊楚歳時記では五月は「悪月」とされます。

 お天気のよい日は、体がよろこんでくれることをいたしましょう。

 

 

 石橋駅のホームで前に並んでいた婦人の帽子が突然の風に飛ばされました。次に風が吹いて線路に落っこちたらおおごとになるかと、膝を折って拾い上げてお渡ししました。

 年を取ると、とっさに体が動かないのはお互い様と申しましたのに、電車を降りるときにもお礼をいわれて恐縮したことでした。

 帰り道、その五月の風があるから、元気に大空を泳ぐものがありました。

 それは、幼稚園の屋上の鯉のぼり。

 パタパタと音までたてて泳ぐ姿は子どもの日をお祝いしてくれているようで、嬉しくなります。

 子どもたちがみんな元気に育ちますように。

 

 

 大好きなみかんの香り。

 

 

 琵琶がもうこんなに大きくなっていました。

 

 

 イチジクだって、もうすぐ実の中に花を咲かせるでしょうか。

 

 

 シャクヤク畑の中で、いくつか花が開きかけています。

 全部咲いたら壮観でしょうね。めぐりあえるかどうかは、時の運。そう思えるようになったのは年の功。

 こんなに豊かな自然に囲まれていることに気づかずにいました。一つ一つのささやかな営みに感動できる幸せに今頃になって感謝しています。

 

 

 元来、人見知りの質ですから、お忙しくされてる最中にお声かけするのは気が引けます。ですが、どなたも、気持ちよくお応えくださるので調子に乗って、お訊ねしています。

 こないだも、大根を抜く作業をされていたので、写真を撮ってもいいですか?とお声かけしました。

 すると、

「本当ならもう少し大きく育つ種類なんだけど、薹が立ちそうなので早めに抜いてます」と、教えて下さいました。

「どうやって見分けるのですか?」 

「葉っぱの奥に花の茎が出てきたら、薹が立つサインですわ」

「農協に出されるのですか?」

「そうです、萱野農協」

 買いに行きます!知ってる子どもがかわいいのと同じように、此処で育った野菜と思うと美味しさ百倍ですものね。

 

 端午の節句に吹き渡る風の音を聞きながら、ブログを書く豊かな時間。

 お読みくださる方々の幸せを思いながら。