こころあそびの記

日常に小さな感動を

”水温む“

 

 濃霧で、箕面の山は全く見えない朝でした。

 

 

 それでも、雨雲レーダーに雲がかかっていないことが確認できたので、いざ出発。

 春雨に当たった梅の花びらが、木の下に円形に散り敷いています。その向こうに水仙、その向こうは金柑。

 次々、宅地化していく中で、こんな場所は貴重です。少なくとも、私はいつもありがたく思って通らせていただいています。

 

 

 豊かに白い椿が咲いていました。

 

 

 今にも花開きそうなサンシュユ。次に通る時には、黄色い花が満開になっていることでしょう。

 春が第二ラウンドに向かってばく進中です。

 

 

 でもね、今日はさみしい光景を目にしました。  

 それは、芦原公園の池からカモたちが姿を消していたことです。

 とうとう、その日がやってきたのですね。秋にまた必ず帰ってきて欲しい。ずっとずっと待ってるからね。

 

 池の岸にいた鳥は、カワウとアオサギと、オオバンでした。

 広い池なのにどうして一カ所に集まっているのでしょう。それは、餌とりに都合がいいという理由らしいです。

 カワウが潜って、水をかき混ぜてくれる。そうしたら小魚も水草も浮いてくる。それを、待ち構えたカモたちが食べるという寸法に、自然の計画性を感じます。

 

 

 水音もどこか違ひて水温む 汀子

 

 そういえば、今朝、金魚鉢の水がうっすら緑色になっていることに気がつきました。

 氷が張っていた数日前までは透明だったのに。

 これも、春になった証です。

 水が温んだために、苔が生え始めたのですね。

 

 苔で思い出したのが、福岡伸一先生のYouTube解説です。

 ホタルの餌であるカワニナという貝のことです。

 ホタルは深山幽谷では見られないというのはご存知の通りですが、なぜそうなのか。

 鬱蒼とした森では、日光が射し込みません。すると、苔などが生育しないから、それを食べる微生物も増えない。有機物の食物連鎖の循環が起こらないから、魚もカワニナも住めないのだそうです。

 従ってホタルが見られるのは、光が射し、水の流れが速からず遅からずの場所がよろしいとのこと。

 先日の牛ふんの話とも通じますが、ウンチという有機物は生物のいのちの循環に大いに貢献していることを知りました。

 知れば知るほど、感心するばかりです。