こころあそびの記

日常に小さな感動を

昭和の終焉

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 阪急阪神ホールディングスが6つのホテルの営業を終了すると発表しました。
 こんな困難な時代ですから仕方がありませんが、朝刊を見て一抹のさびしさを感じました。
 新阪急ホテルは私たちの世代が一番利用したホテルではないでしょうか。結婚式に同窓会、バーゲンと梅田に出たら必ず通る?ホテルでした。たくさんの思い出が閉館と一緒に消えていきます。
 千里阪急ホテルも子ども達と夏のプールで遊ばせてもらいました。そう言えば、先日、中央環状線を走りながら見えたホテルの壁のロゴが、疲れて泣いているように見えたのは気のせいではなく、閉館を知ってのことだったのですね。
 傘下の第一ホテルといえば、思い出すのは「バイキング」です。中学生のころ、食べさせることが大好きだった父が連れて行ってくれたのが新橋第一ホテルでした。
 まだ、バイキング形式のレストランが珍しかった頃、わざわざ上京してまでそれを見せてやりたいと思った父でした。
 阪急阪神のお話から外れますが、父は千日前の鰻の「川富」にもよく連れて行ってくれました。鰻重と肝吸いと鮒の洗いが定番でした。
 それから、新地の「菱富」。特大オムレツにドヤ顔の父も記憶に残っていますが、あれは、一体いくつ卵を泡立てていたのでしょう。この身体を作ってくれたふわふわのオムレツです。
 新阪急ホテルは前の東京オリンピックの年に開業されたとのこと。あぁ、昭和が終わってしまったのだという思いは、私だけでなく、同世代の皆様と共有できるのではないでしょうか。
 戦争を知らない私たち。ホテルという響きに憧れた世代、お腹いっぱい食べることが幸せだった世代。
 そんな時代が昭和でした。
 でも、懐かしんでいるのではありません。中島みゆきさんではありませんが、「そんな時代もあった」という思いです。
 そして、たまにはそんないろいろな出来事を思い出すのも、父の供養になるかなと思っただけです。
 お父ちゃん、ありがとう。